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害獣メモリー

34 - 📖 最終話「さよなら、害獣たち」

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2025年02月14日

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📖 最終話「さよなら、害獣たち」



🏫 1. 害獣たちとの別れが迫る


「……嘘だろ?」


目蒲 安(めがま やすし)は、手を伸ばしてみるが、そこには何もない。

いつも隣にいたはずのジグマの姿が消えている。


「シャドウ……!?」


「ダッシュ……嘘だろ!?」


「エコー!!!」


クラスメイトの叫び声が次々と響く。

みんなが大切にしてきた害獣たちが、一人また一人と消えていく。


「なんでだよ……!」


泣きそうな声をこぼす者もいる。

何も言えず、ただ呆然と立ち尽くす者もいる。


ジョーカーは、そんな彼らを静かに見つめていた。





⏳ 2. 害獣たちが残したもの


「……ジグマ、お前はどこにいる?」


目蒲は自分の胸に手を当てる。


すると、突然、微かにジグマの声が聞こえた気がした。


――「お前はもう、俺の力がなくても大丈夫だろ?」


「……!!」


その瞬間、目蒲は悟った。


害獣たちは――消えたわけじゃない。

彼らは自分たちの中に残っている。


「目を閉じれば、思い出せる。」


「俺たちは、一緒にいたんだ。」


「害獣の力を借りて、いっぱい笑って、いっぱい成長したんだ。」


目蒲は、涙をこらえながら笑う。


「ジグマ、ありがとうな。」


「俺、これからもお前に教わったことを忘れないよ。」


クラスメイトたちも、それぞれ害獣に別れを告げ始める。


「ポン太、ありがとな。」


「ダッシュ、お前のおかげで速くなれたよ。」


「スイート、最高の味を教えてくれてありがとう!」


それは、悲しい別れだった。


だけど――


それ以上に、大切な思い出が残る別れだった。





🌌 3. 雲卵が生まれる


「……空、見てみろ。」


影 道(かげ みち)が、夕焼けに染まる空を指差した。


そこには、巨大な雲の竜が浮かんでいた。


それは、害獣たちが残していった”雲卵”。

次の世代の子どもたちに宿るために、空へと昇っていく。


「……害獣たちは、また新しい子どもたちのもとへ行くんだな。」


「そうだな。」


「害獣メモリー」――それは、彼らの記憶に刻まれ続ける。


たとえ、害獣と過ごした記憶が薄れていったとしても。

この経験が、確かに彼らの心に残っている。


「行ってこいよ。次の子どもたちを頼むぜ。」


目蒲は、空に向かって笑った。





🌅 エピローグ「害獣メモリー」


それから数年後――


「ねぇ、お兄ちゃん!」


小さな子どもが駆け寄ってくる。


「なんか、最近ずっと不思議な夢をみるんだ。」


「どんな夢?」


「なんかね……俺の隣に、ドラゴンみたいな動物がいるんだよ!」


「へぇ、そいつはどんなやつ?」


「うーん……すごく優しくて、頭が良くて……なんか、俺のことずっと助けてくれるの!」


目蒲はふっと微笑んだ。


「あー、それは……きっと”害獣”ってやつだよ。」


「害獣?」


「そうさ。」


「お前も、そいつと一緒にいっぱい遊んで、いろんなことを学べよ。」


「うん!!」


新しい世代へと繋がれていく害獣たち。


彼らはこれからも、子どもたちのそばにいて、見守り続けるのだろう。


「害獣メモリー」――それは、永遠に続く物語。




画像




🎬 THE END

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