「……ここか」
安手英雄高等学院。通称アンテAU。全校生徒約570人という小さな学校である。
15歳のサンズ(オリジナル)はこの学院に見学に来たのだ。───だが
「これ……どうやって入るんだ?」
目の前には黒い門。その先には砂の校庭が広がっている。
てっきり学校見学の人が入りやすいように案内でもあるかと思っていたのだが。試しに門の鍵をイジる。
「まぁ開くわけないけど……」
ガチャッ
「………………ひら…」
ええぇぇええぇぇえええええ!?ありえないだろ!?こんなんだったら強盗だって殺人鬼だってなんだって入……
いやいやそうだろ。だってこんなにセキュリティ甘い高校あるわけないだろ。よし!次はひとを呼んで…
ガチャッ
「うん、そうだよね!さっき開いたんだもんね!」
ここで一気にこの学校に対する不安が湧き上がってくる。
「どうされましたか?」
「うわ!」
──だ…誰……!?
「あれ?君は見学の子かな?ごめんね怖がらせちゃって。僕はインクっていうんだ!」
インク……?変な名前だなぁ…というか、何となく俺に似てる気がする。
「…………………」
「あっ」
じっと見つめられ慌てて挨拶をする。
「えっと、俺はサンズっていいます。好きな食べ物は……えっと……」
自己紹介なんて何年ぶりだろう。すごく久しぶりだ。
「いいよいいよ。良かったら僕が案内するね!」
連れられるがままに校庭へと入っていく…………
チューリップ、さくら、たんぽぽ。色々な花たちが華麗に咲き誇り……
「さっきから何言ってんの?」
「え?いや、そうじゃないですか。花壇に花、咲いてますよ?」
「花って……これ全部造花だけど。」
なんで?どうして?さっきからほかの学校なら絶対ありえないことしか起こんない!
てか造花て!そこまできたなら花壇要らないだろ!
「なんか……早く校舎の中に入れてほしいです」
「えっ?でも楽しいでしょ?」
「楽し……うんまぁそうですけど……」
楽しくない。というか正直怖い。そしてこの人いまいちズレてる。いい人なんだろうけどさ。
何とか説得しなければ。うん…校舎の中もヤバいことは予想ついてる。それよりこいつと2人きりで校庭いる方がやだ!
「ねぇインクさん!僕、校舎の方みたいです!ね、いいでしょ?」
そうだ。この人はいい人なんだ!だから多分押しに弱いはず!
「うーん…確かにそうだね!十分校庭は見たし!」
計画通り………!!!!
────この時、さらなる地獄が待っているとは思いもしない、サンズであった
コメント
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自分から〇亡フラグ立てていくスタイル... 嫌いじゃないぜ☆(((