予告物語

私は生まれつき奇妙な病を患っている。

この病気に名前は無い。

なぜなら最初の発症者が私だからだ。

症状は、触れたもの全てをガラスに変えてしまうというもの。

食べ物も液体も、命が宿るものだって。

全てガラスになってしまう。

だからいつも私専用の手袋を付けている。

こうでもしないと防げないのだから。

でも、

周りからは私が潔癖症だと思われているらしい。

だから私はみんなに嫌われている。

近寄ってこないなら私には好都合かもしれない。

だって自分の手でガラスにしてしまった時は

酷く悲しいものだから。