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第61話「卒業写真」、めっちゃ沁みた…。「写真は別れのためじゃなくて、また会う日を信じるために撮る」って言葉がまず刺さったし、部長に「笑ってください、卒業なんですから」って言える湊くん、もう立派な写真部の後輩やん。景色から人の心を撮るようになった成長がじんわり伝わってきて、ラストの握手も含めて全部が優しかった。紬ちゃんの「笑顔の奥の気持ちまで伝わる」って感想もナイスすぎる📸
#異世界転移
花月夜れん
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ユキ
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第六十一話 卒業写真
「写真は、別れのために撮るんじゃない。また会える日を信じるために撮る。」
三月初旬。
校内には卒業式の準備が進み、
廊下には色とりどりの飾り付けが並んでいた。
写真部でも、
三年生を送るための最後の撮影会が
開かれることになった。
「今日はよろしくお願いします!」
一、二年生が頭を下げると、
三年生たちは少し照れくさそうに笑った。
いつもの部室。
いつものメンバー。
でも、それが「最後」だと思うと、
どこか特別に感じられた。
*
「神崎。」
卒業する部長が湊を呼ぶ。
「最後に一枚、撮ってくれないか。」
「もちろんです。」
校舎裏の桜並木へ向かう。
まだ花は咲いていない。
枝には小さなつぼみが
膨らみ始めているだけだった。
「ここ、好きなんだ。」
部長は空を見上げながら話す。
「春になれば満開になる。」
「その頃には俺たちはもういないけど。」
少し寂しそうに笑う。
湊はカメラを構えた。
「部長。」
「笑ってください。」
「卒業なんですから。」
その言葉に、部長は吹き出した。
「そうだな。」
仲間たちも集まり、自然と笑い声が広がる。
カシャッ。
シャッターを切る。
その笑顔は、
春を待つつぼみのように希望に満ちていた。
*
撮影が終わると、部長は湊の肩を軽く叩いた。
「神崎。」
「最初は景色ばかり撮ってたよな。」
「はい。」
「でも今は、人の気持ちまで写る写真を撮れるようになった。」
「写真は技術だけじゃない。」
「誰を想って撮るかなんだ。」
その言葉は、
先生やおばあさんから聞いた言葉とも重なった。
湊は静かにうなずく。
「ありがとうございます。」
*
その夜。
紬と電話をしていると、卒業写真の話になった。
「卒業する先輩たちを撮ったんだ。」
「見せて。」
写真を送ると、紬はしばらく何も言わなかった。
「……いい写真。」
「みんな、本当に楽しそう。」
「うん。」
「きっと、この写真を見るたびに今日のことを思い出してくれると思う。」
紬は優しく笑った。
「神崎くんの写真って、笑顔の奥にある気持ちまで伝わってくる。」
その一言が、何より嬉しかった。
*
翌日。
現像された写真を部長へ渡す。
「ありがとう。」
「大事にする。」
写真を見つめる部長の目は、少し潤んでいた。
「また、どこかで会おう。」
「はい。」
「その時も、一枚撮らせてください。」
「約束だ。」
二人は笑って握手を交わした。
別れは寂しい。
でも、それは終わりではない。
また会える日へ続く、新しい始まりだった。
📷 Photo.061『旅立ちの笑顔』
撮影日:3月3日
今日の笑顔は、
明日には思い出になる。
だからこそ、
今、この瞬間を残しておきたい。