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これは、少年が青年に成り果てるまでの物語。
誰が善なのか。それは、ここではあなたが決めること。
「なぁ日依!テストの点どうだった?!」
そう楽しげに話すのは、緋影 陽(ひかげ よう)
そしてその問いを投げられたのは、彼の親友・花芽 日依(かが ひより)
「う〜ん…実は点よくなくて…」
「マジ?日依頭いいのにそんなことあるんだ!俺は今回90点だった!」
「あ、あはは…僕は今回87点だったよ…」
本当に楽しそうな陽に対し、少し暗い表情の日依。
だけど、誰もそれに気づけやしなかった。
当然だろう、彼らはまだ小学生、自分であることを保つのに必死な時期だ。
…さて、それでは彼らの日常を覗いてみよう。
「日依!これもってみてくれよ!」
「シャーペン?禁止じゃなかったけ…っうわ!」
「ふっはははww相変わらずいい反応するな〜!」
「も〜、やめてよ!」
「えいっ!」
「ひゃあっ!?」
「びっくりした〜?ww」
「いつもやめてって言ってるじゃん…!」
はて、さて。彼らに、友情以外の何があろうか?
「花芽さんが、自分で命を絶ってしまいました。 遺書は特になかったそうです。」
そう伝えるは彼らの担任教師。 勿論ざわつく教室内。
「花芽って、いつも端っこにいたアイツ?」
「アイツって陽と仲良くなかったっけ?」
「やでも陽だよ?いじめとかしてるわけないし…ただの自殺でしょ」
「もともとなんか話しててあんま楽しくなかったしね…」
ざわざわ、ざわざわ。
「静かに!…それと緋影さんは放課後校長室に来てください。」
「…はい。」
一人落ち込む少年の影。
当然だろう、自分の親友が自殺したのだから。
…本当に、それだけ?
「花芽の自殺について、なにか心当たりはあるか?」
「ない、です…正直、本当に、何も。」
「そうか…わかった、呼び出して悪かったな。」
「いえ…じゃあ、さようなら。」
「さようなら。気をつけて帰れよ」
淡々と終わる、担任教師との会話。
「何も心当たりがない」なんて、真っ赤な嘘。
こちらが、みんなが笑う中、一人だけ引きつった笑顔を浮かべていたのを。
この世には、被害者だけがいじめだと思ってるケースが有ることも。
彼は、知っている。
聡明すぎたが、故に。
気づいてしまった、自殺の原因。
何を隠そう、それは自分。
いじりだと信じて疑わなかったアレは、
彼にとっては、日依にとってはきっと、きっとあれは…
あぁ、なんという罪を犯したのか。
あれから、数年。
彼は、陽は笑うことができなくなっていた。
「笑わなくなったね」と、友人たちは離れていった。
それでも彼は自責の念にかられたまま。
「いじめてしまったのは、俺だ。」
だから今日も、居もしない幻覚に頭を垂れる。
「本当に、すまなかった。」
「俺はもう、二度と笑わないと誓う。」
「だから…どうか、成仏して幸せになってくれ。」
彼は、きっと優しい。