テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第2章 第21話
「断崖孤走」
「ちょっと派手すぎだよぉ……みんなバラバラじゃん」
「だがこうでもしないとこいつら復活するだろうが……」
辺り一面にはとてつもなく鋭利ななにかで斬られた魔族の死体が転がり 血の海になっている
「アクロー 例の石は?」
「ちゃんと見つけたよ!これだよね!」
アクロウはポケットから赤く光る魔鉱石をとりだす。
「ああ。よくやったぞ」
「えへへ〜褒められちゃった!」
「それはお前がもっておけ。何かあった時 お前なら逃げられるからな」
「もー……リッパーったら 僕たちは運命共同体でしょ?」
「……そうだな。 ーーさて 長居しすぎたらしい。クソ野郎どもが押し寄せてくる前にーー」
「わわっ!リッパー!空からなんかきてるよ!」
「侵入者がァ!魔鉱石のガキから殺してやるぜぇ!!!」(とぶ魔族)
ーー次の瞬間
スパッ!!!
その魔族は真っ二つになり地に伏せた。
大量の血がリッパーに降りかかる。
リッパーは赤く染った剣の先端を少し舐め 直ぐにペッと吐き出す
「……あのクソ帝皇が。図に乗りやがって」
「また刺客……?」
「そうだ。」
「血の味だけでわかるんだ!さっすが〜!」
「そろそろ行くぞ。オレらは敵が多いからな」
血塗られた2人は”ゲート”を目指した。
ーー数多の骸と罪を抱えながら
ーーーーー
そして約束の日。
ついにアクラは無属性のまま この日を迎えてしまった。
「アクラさん 元気だせとは言いませんけど……きっとなんとかなりますよ……!」
そして2人はあの場所ーー崖へと歩いていった。
そこにはすでにクラグレアが椅子に座っていた。おそらく持参したのだろう。
さらに生肉をかじっていた。
「あぁらぁぁ〜 お疲れ様でぇす!!属性は身につけましたかぁぁ??」
「我は風属性を身につけました」
そうしてエペは実演した。フェンシングエペを空に向けて魔力を込めると風が発生し近くの木をなぎ倒した。
「で、できました!」
「おおおおっ!すごいですねぇぇっ!!アナタは合格ですよぉっ♡」
「あ、あの……クラグレア先生。実は……」
「さぁて!次はアナタの出番ですよぉっ♡」
「クラグレア先生!……おれ、なにも……発現できませんでした……!!」
「……んんんっ?? 」
冷や汗が出る。緊張で息が荒くなる。
「それはぁ……仕方がないですねぇ」
「それって……つまり……!」
一瞬の安堵。しかし……
「じゃあアナタは孤誓隊にはいれませんねぇ」
ーーーえ??
「先生!それは……さすがに無慈悲ですよ!」
エペが叫ぶ
「あんまり? 無属性の子を戦場に送る方が無慈悲と呼べるのではないでしょぉか?」
ーーー孤誓隊 追放……??
呼吸が荒くなる。目の前がぼんやりとする。
「アナタは孤誓隊ではなく誓刃隊に行ってもらいましょおか。残念でぇすが これはおいらのルールなのでぇすよ」
いくらなんでも……唐突すぎる
ーー誓刃隊。それは特に能力のない、秀でた才がない戦士が集まる雑なものである。
基本的に戦士は孤誓隊や無敵隊、月虹隊など20を超える隊のいずれかに入ることになるが、それにすら選考審査落ちの末路が誓刃隊なのである。
それからはあまり覚えていない。
アクラは寮の部屋は一週間後に誓刃隊用の寮に変えられるらしく、孤誓隊ではなくなったため一部の施設の利用禁止令がだされた。
能力が、ない。それはここでは罪なのだ。
ーーノイズが必要だ。
雑音に気を取られて 惑わされてしまいたい。
この最低な感情を少しでも緩和してほしい。
「残念だ。きみがいなくなるなんて」
セラフィナは残念がる。だが どうしてだろう。必死さを感じない。呪いの研究は……ゼグレだけで十分ということなのか……?
「また機会があれば会おう」
セラフィナはそれだけ言って去った。
その日の夕方。
孤誓隊のみんなには会えるだろうが、どんな目を向けてくるだろう。
バロロやジャック、光月なんかは励ましてくれるかな……。
刹那とかエペは話を聞いてくれそうかな……。
みずきとクレイは……煽ってきそうだな。
ツヴァイには同情の眼差しが向けられるんだろうな……腹たってきた。
ーーその中でも今い そちばん会いたくないのは ゼグレ……お前だよ。
誓刃隊に挨拶にいくため 長い廊下を歩き 角を曲がる……その時。
誰かとぶつかった。
「わ、悪い!薄暗くてさ……はは」
そういって相手の顔を見るとーー
霧雪…ゼグレ
「なんだ お前か」
「そ、それはこっちのセリフだ!なんでお前がこんなところに……」
「お前を探しに来た。 孤誓隊から抜けるらしいな。理由はなんだ」
「わ、わりいかよ!お、お前がいるから別のとこに移ってやろうとおもっただけだ! 」
また嘘をついた。能力不足で追放されたなんて言えるはずがない。
「……そうか。宛はあるのか?」
「お、おうよ!だが言わねーぞ!」
「わかった。」
そうしてゼグレはどこかへ行ってしまう
「死ぬなよ」
その一言がアクラにははっきりと聞こえた。
そしてアクラは誓刃隊の座学室の目の前まで来た。どんなやつがいるのか。
……それだけは正直楽しみだった。
そして勢いよくドアをあける
「お、おっす!おれはアクラ!今日からよろしーー」
その座学室には20人ほどいただろうか。
ーーみな、目が死んでいる。
アクラと目が合うなりみな目を逸らしなにやらボソボソと陰口をしている。
「また出来損ないがきちまったな……」
「ああ……俺らみたいなカスはこうやってここに集められんのさ 」
「でもさ……生きてるだけで満点だよね私たち。頑張らなくても いいよね」
「そ、そうだよな 」
ーー無気力軍団
孤誓隊とは全てにおいて真逆の隊だった。
「あんた……どこの隊から編入だ?」
「おれは孤誓隊からだ! 」
「孤誓隊だって!?あんた…背伸びしすぎたんだよきっと」
「……は? 」
「それに誓刃隊にはいっちまったらもう他の隊には行けねぇんだ。それが制度。まぁしゃーねえよなあ俺らみたいな出来損ない」
ーーやめろ
「身の丈にあった隊に入ろうぜ?楽になろう。なっ? 」
ーーやめてくれ……!!
「努力するだけ無駄なんだよ」
ーーやめろ……!!!!!
気づけば座学室を飛び出していた。
ああはなりたくない。
あそこにいれば腐ってしまう。
いずれ死んでも、誰も認知してくれない。
アクラは校舎を抜け出し あの崖へと走っていった。もう既に夜だ。
崖から見えるゾラン王国の城下街の美しさがいまのアクラを嘲笑っているようだった。
「……くそ どうすれば……!」
夜時間、誓刃隊は許可なく校舎外への移動が固く禁じられている。
今戻ったら 処罰がまっているだろう。
将来の不安と絶望感は彼を闇へと侵食するには十分すぎた。
そして森の奥へととにかく走る。
足からは血が出て 胸が痛い。
胸の糸は張ったままだった。
#ダークファンタジー
#参加型ストーリー
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!