残りの用事を片付けるために私が訪れた場所は、私が宿泊している施設。そう、”囁き鳥の止まり木亭”だ。
宿に入り、滅多に見かけることのない人物を呼びかける。
「御主人。今、いいかな?」
「ノアさんか、どうした?ああ、そういや今日はハン・バガー以外も食うんだったな。献立でも聞きに来たのか?」
カウンターの奥から大柄な男性が顔を出す。この宿の主人であり、シンシアとジェシカの父親でもあるトーマスだ。彼がこの宿の料理のほぼ全てを作っている。
私と会話する機会はほとんど無かったからか、それとも夕食の時の印象が強すぎるのか、どうも私は彼に食べることが大好きな人物だと思われているようだ。
私があれだけ食べるのはトーマスの作る料理が美味いからであり、本来ならば果実を1日1つ食べられれば私はそれで満足だし、何なら1日中何も食べなくても問題無いのだ。
食い意地が張っている印象を持たれるのは、レイブランとヤタールだけで十分なのだ。
とは言え、私の用事が今晩の献立に関わることだから、まるで否定できないのが悲しいところだな。
ちなみに、”楽園”から持ち出した果実は初日以外は就寝前に1つずつ食べることにした。そのタイミングぐらいしか食べられそうな時が無いからな。
「今晩の食事に関することなのは間違い無いね。実は午前中に…コイツを仕留めてきてね。とても美味いと聞いたから、良ければ今晩のメニューの一つに使って欲しいんだ」
「おお、エビルイーグルか。凄ぇ良い状態じゃねえか。処理も鮮度もバッチリだ。なるほどな。コイツは、他の客にも出して良いのか?」
「そうだね。構わないよ。気に入って食べたくなったらまた取ってくればいいだけのことだからね。是非、コイツで御主人の腕前を見せて欲しい」
「へっ、言ってくれるじゃねえか。任せな。俺の料理がハン・バガー以外も美味いってことを証明してやるからよ」
「貴方の料理の腕前に疑いは持っていないとも、夕食を楽しみにしているよ」
そんな会話をしてエビルイーグルをトーマスに渡す。トーマスは私が彼の料理がハン・バガーしか知らないと思っているようだが、彼の料理の腕前ならば朝食で十分すぎるほどに理解している。
私は只々、夕食を楽しみにしていればそれで良いのだ。”囁き鳥の止まり木亭”から出て、サクサク依頼を片付けよう。
と言うわけで、現在の時刻は大体午後の鐘が5回鳴って30分ほど経ったところ。現在私は、報告のために冒険者ギルドの受付カウンターに並んでいる。
この時間になって来ると、他の冒険者達も依頼を終わらせて戻ってきているため、少々受付が混雑してきている。それでも、相変わらずエリィは円滑に受付の仕事をこなしているが。
昨日と同じくエリィのカウンターの列に並んで待っていれば、問題無く私の番が回って来るだろう。
受注した依頼は午前中に受けた依頼とほとんどやることは変わらなかった。指定された場所で魔物・魔獣の討伐と、その場所で捕れる素材の採取だ。サクッと片付いた。
討伐対象、納品物、どちらも図書館の本に書いてあった通りの内容だったし、依頼を片付けるのに時間は掛からなかった。ワイバーンのような厄介な相手とも遭遇しなかったしな。
「ノアさん…。もう、終わらせてきちゃったんですか…。先程よりも依頼件数が多かったはずなのに、何でさらに早く終わらせて帰って来れちゃうんですか…」
「要領を覚えたからだね。それに特に寄り道をすることも無ければ、邪魔が入ることも無かったし、正直、今回が一番順調だったよ」
そんな感じでエリィからは大層呆れられてしまった。それだけ慣れてくれたという事だし、私の心情としては怒られるよりはマシだと思っている。
そんなわけで私は冒険者ギルドへ午後になってから2回目の完了報告にきている。既に納品物も納品済みだ。討伐対象の素材卸しも先に済ませてしまって良いとのことだったので、そちらも終わらせている。
当然であるかのように、いつもの矮人《ぺティーム》の鑑定士やモートンからもエリィの時のように呆れられてしまった。
エリィが言っていた通り、彼女が斡旋してくれた依頼の数は新しく受注するごとにその件数を増やしていった。
今朝受けた数が12件、次に受けたのが13件、そして今回は15件だ。内、”初級《ルーキー》”の依頼は10件、”中級《インター》”が30件だ。
“中級”が30件。そう、それだけで達成回数が40件分の扱いになったのだ。つまり、”初級”の依頼達成回数と合わせて50件。”初級”から”中級”に昇格できるということだ。
少々、初級の割合が少ないように感じたが、エリィは私に早々に”中級”にランクアップしてもらいたかったのだろう。依頼達成回数がちょうど50回になるように斡旋してくれたところからも、彼女のからの[さっさとランクアップして下さい]、という懇願にも近い強い意思を感じた。
ほどなくして、私の番が回ってきた。
「ノアさん、お待たせしました。ギルド証の提示をお願いします。…はい、確認できました。それでは、報酬の支払いとギルド証の更新を行いますね。少々お待ちください」
そう言って、受付カウンターから奥へと移動して行く。
エリィが受付カウンターを離れると、周囲の連中が何やら小声で会話をしている。当然、私の聴力ならば筒抜けである。
もういっそのこと他の受付にも聞こえる声で会話をしてくれればいいものを。
「なぁ、今、ギルド証を更新するって言ってたよな…?」
「ああ…確か、昨日のこのぐらいの時間に”初級”になったばかりの筈だ…。それが、また更新、だと…?」
「おいおいおいおい、一体何がどうなってんだよ…?エリィちゃんも何か疲れたような感じだったしよお…」
「お前も今朝のアレを受けただろ?あの姐さんならこのぐらいは何のことも無いんだろうぜ?」
「エリィちゃんからいきなり”一等星《トップスター》”を約束されるぐらいだからな。これが普通なのか?」
「やっぱ”一等星”の連中は化け物ぞろいだな……」
相変わらず好き勝手言ってくれる連中だ。まぁ、私に変に干渉してこないと言うなら煩わしいけれど我慢するとも。好きに言わせておけば良い。連中の言葉を暇潰しに聞いているとエリィも戻ってきたようだ。
「それではノアさん。此方、報酬と更新されたギルド証です。これで”中級”にランクアップですね。はぁ…。何だか肩の荷が下りた気がします」
「お疲れさま。色々と負担を掛けていたみたいですまなかったね。とは言え、基本的に私が行動を起こすとこんな感じになってしまうということは理解して欲しいかな?」
「自覚しているんだったらもう少し自重してもらっても…ってそうでした。これで自重してくれてたんですよね?あれから色々と聞きましたよ?」
「うん、私が必要と感じたら、あれぐらいのことは平気でやると思っていてくれるとありがたいよ」
「はぁ…分かりました。では、ギルド証をお返ししますね。本日もお疲れ様でした。はぁ…まだまだ気苦労が絶えなさそうで…。あっ、そうだ!ノアさんっ!待ってください!」
ギルド証を受け取って”囁き鳥の止まり木亭”へ向かおうと踵を返したところでエリィに呼び止められてしまった。
何か忘れものだろうか?これと言って何も思いつかないんだが…。
「指名依頼の件でギルドマスターがお話をしたいとのことです。夕食を取った後で構いませんので、ギルドマスターに会っていただけますか?」
「構わないよ。昨日はともかく、今日は朝からギルドを騒がせてしまったからね。私も出来ればギルドマスターとは話をした方が良いと思っていたんだ」
「助かります。それでは、午後の鐘が8回鳴った時にギルドに来てもらって良いですか?ギルドマスターの元まで案内しますので」
「構わないよ。それじゃあ、また後で」
エリィに一度別れを告げて今度こそ”囁き鳥の止まり木亭”へと向かうことにした。
後20分もすれば鐘が鳴る。つまり、夕食が出来上がる頃だからな。シンシアやジェシカと今日のことを話しながらゆっくりと夕食を待つとしよう。
「ギルマスが指名依頼でって、今”中級”になったばっかだぞ!?」
「何でもう指名依頼の話が出てくるんだ!?」
「いや、ありえるぞ…?お前ら、あの姐さんが今朝言っていたことを覚えているか…?」
「汚ぇままだったら、ギルドから叩き出すってやつか?」
「その前だ。魔術言語の本と魔術書を銀貨2枚で渡すと言ってただろ?もしそれだけのことができてギルマスに話が通っているなら、間違いなく指名依頼案件になる…」
「いやいやいやいや、マジでンなこと出来んのかよ?無理だろ?」
むぅ、少し聞き捨てならないことを言っているな。
本来ならば無視すべきなのだろうが、それで明日、本を受け取る者が減ってしまっては面白くない。少し早いがまあ、いいだろう。実物を見せてやるか。
「決めつけるのは良くないな。特別サービスだ。くれてやる」
「んなっ!?き、聞こえてたのかよっ!?」
「最初からな。お前達は他人のことで騒ぎ過ぎだ。他人のことだけで無く、自分のことも同じぐらいしっかりと見てやれ」
「これはっ!?魔術言語の本と『清浄《ピュアリッシング》』の魔術書っ!?か、紙は市販の一般用紙…。まさか、『転写』したのかっ!?そしてこれを我々に平気で渡すということはっ…!?」
「当然、大量に用意できる。…こんな具合にな」
『収納』から、何冊か複製しておいた魔術の2冊セットを取り出して見せる。
そういえば、この連中に『収納』を見せるのは初めてだったか。また騒ぎになりそうだが、どうせ明日には見せることになるからな。今更だろう。
「んなっ!?か、『格納』っ!?」
「いつも手ぶらだったのはそれが理由か…!?」
「見ての通りだ。私はお前達に容易にこの2つの本を渡してやれる。ギルドの職員に良いように思われたいのなら、受け取って覚えろ。そして使え」
周囲の様子を伺っていた連中に向けても言っておく。
これだけの人数に吹聴したのだ。流石に少人数しか受け取りに来ない、ということはないだろう。ここにいる連中は全員少なくとも”中級”以上、銀貨2枚を得るぐらい、造作も無い筈だ。
言いたいことも言い終ったし、今度こそ本当に冒険者ギルドを後にしよう。
“囁き鳥の止まり木亭”に入ると、シンシアとジェシカが出迎えてくれた。
どうやらこの娘達の夕食までの仕事は終わっているらしい。少しの間だが、この娘達とのおしゃべりを楽しむとしよう。
「ええええっ!?もう”中級”になっちまったのかっ!?やっぱノア姉チャンってスゲエーッ!!」
「本当にね。たった1日で”中級”になるなんて前代未聞じゃないかしら」
「そうでもないさ。私が読んだ記録では、登録したその日に”中級”にランクアップした冒険者もいたみたいだからね」
私のランクアップ速度も異常だとは自覚しているが、前例がないわけでは無いことは確認済みだ。決して前代未聞などでは無いとも。
それに、”一等星”の冒険者だって登録から4、5日で”中級”にランクアップする者がざらだと確認している。私ほどでは無いにしろ、驚異的な速度でランクアップしているのだ。違和感はそこまでないと思いたい。
「いや、ノアさん。その記録って、あらかじめ『格納』に大量の品を保存しておいてまとめて常設依頼をこなした結果だった筈よ?しかも今の規定になる前だったから、今よりも常設依頼で達成回数を増やし易かったって聞いたし…。っていうか、その1件が原因で常設依頼が今みたいな決まりになったんじゃなかったかしら?」
なんてこった。まさかそれが理由で常設依頼の達成回数の規約があそこまで厳しくなっていたなんて。
しかし、前にも思ったが、そんなことができるのなら冒険者をやるよりも商人にでもなった方が良いと思うのだけどなぁ。
「ん?それじゃあ、もしかしなくても?」
「おめでとう、ノアさん。最速で”中級”になった気分はどうかしら?」
「ジェシカ。私がそこかしこでヒソヒソと話題にされることに良い思いをしていないと分かっていながら、そんな事を言わないで欲しいな」
「はいはい、ごめんなさいね。ちょっと自重が足りないみたいだから、からかわせてもらったわ」
「ノア姉チャン、嬉しくねぇの?」
「ランクアップできてシンシア達の相手をしてあげられ易くなったのは嬉しいけれどね」
「ノアさん、このまま同じペースで活動を続けていたら、あっという間に最速の”一等星”よ?あんまり周りからあれこれ言われたくないのなら、少しは大人しくしていることを勧めるわ」
ぐうの音も出ない。だが、依頼を斡旋してくれたのは私では無くてエリィだ。私は自分の出来るペースでその依頼をこなしたに過ぎない。
ってそうか。だからペースを落とせ、と言う話なんだな?達成回数を稼ぎたいという気持ちが前に出すぎてまるで気が回らなかった。
「そうだね。多少の指名依頼を片付けたら、この街では冒険者の活動は打ち止めにしておこうか」
「それが良いわ。シンシアもノアさんと遊びたがっていたみたいだしね」
「ノア姉チャン、明日か明後日には遊べるか?」
言われてシンシアの方を見れば上目遣いで此方を見つめている。しかもその目には期待の色が満ちている。
ズルいぞ、シンシア。そんな目で見つめられたら、応えないわけにはいかないじゃないか。
「そうだね。さっさと指名依頼を片付けて、どれだけ遅くなっても、明後日にはシンシア達と遊べるようにしておこうか」
「やったあああっ!!」
「悪いわね、無茶ぶりしちゃって。私が仕事で構ってやれないから、年上の女性に遊んでもらえるのが嬉しいみたいなのよ」
そう言ってシンシアを見るジェシカの目は、愛情に満ちているとともにシンシアに対して申し訳なさも感じられる。
姉として妹の相手をしてやれないことに、思うところがあるのだろう。ならば、仕事が休みの時には目一杯可愛がってやれば良いさ。
そんな風にゆったりと談笑している内に6回目の鐘が鳴った。夕食の時間だ。
「さて、お仕事の再開ね。シンシア、行くわよ!」
「おう!ノア姉チャン、今日は父チャンがノア姉チャンの持ってきてくれた肉で美味いものを作るって意気込んでたぜ!」
「ああ、それなら1品目はそれを頼むとしようか」
「まいどっ!昼間っから仕込みをしてたから直ぐに来るぜ!」
それは楽しみだ。是非とも堪能させてもらおう。
やはり、トーマスは偉大な料理人だな。彼が作ってくれたエビルイーグルの料理はまさしく絶品だった。
ポワレと呼ばれているエビルイーグルの料理は、こんがりと綺麗な茶色に焼きあげられた肉に、キノコをベースにした濃厚な味わいのクリームソースをかけられた初めて見る形状の料理だった。
見た目は間違いなく私が見た中で最も綺麗な料理だったと言えるだろう。食べ物としてだけでなく、鑑賞物としても楽しめるのではないかと思ったほどだ。
勿論、見た目だけで無く、味も最高だった。
こんがりと焼かれたエビルイーグルの皮はパリッとした食感とやや強めの塩と香辛料がしみ込んでいて、それだけで私の舌を満足させてくれた。
肉の部分は皮とは打って変わって控えめな味付けとふんわりとした、それでいて噛んだ傍から溢れ出て来る肉汁が鳥そのものの美味さを強調させてくれた。
皮と肉、同時に食べることによってエビルイーグルの肉のそのものの美味さとトーマスという料理人が作り出した美味さ、両方が見事に絡み合い一層味を楽しむことができた。
鳥肉だけでコレなのだ。ソースと共に食べた時の味はそれはもう格別だったとも。
ソースの味付けはおそらく塩だけではない。ほんの少しの砂糖を加えられている筈だ。
ほんのりとした甘さが、ソースの味わいを深くさせている。まろやかな舌触りと共に、キノコの旨味がたっぷりと濃縮されたソースは、肉の味、食感と溶け合うように調和して私に至福の時間をもたらしてくれた。
夕食のメニューはこれだけではない。ポワレの次に出されたのは、旨味を多く含んだブ厚い牛肉を、塩と胡椒で味付けして鉄板で豪快に焼いたステーキだ。
繊細で複雑な味わいのポワレを楽しんだ後に食べるシンプルだがガツンと来る味は、実に力強さと豪胆さを感じさせ、ステーキと共に出された冷たいシードルがとても爽快で美味く感じられた。
料理はまだ終わらない。
ステーキとシードルで舌の感覚をリセットされた後に来たのは、小麦粉を原料として細い棒状に伸ばした食材、パスタを茹でてソースで絡めたスパゲティと呼ばれている料理だ。
パスタ自体の味はパンと同じく小麦粉を使っているからだろうか?噛み続けていると唾液と混ざり合い、確かな甘味が舌に伝わってくる。食感も悪くない。口に入れた時の滑らかな舌触りに対して奥歯で噛んだ時の確かな弾力は、なかなかに楽しいものがあった。
しかし、このスパゲティはやはりソースと共に食べてこそだろう。
細かく刻んだひき肉とトマトと呼ばれている真っ赤な水分豊富な野菜をベースに造られたソースは、塩味と甘味がハン・バガーのタレとはまた違った形で美味く混ざり合い、私を驚かせてくれた。ひき肉の食感もまた、パスタの食感にアクセントを与えてスパゲティ全体の美味さを引き上げていた。
そして、やはり外せないのはハン・バガーだ。これに関しては最早説明不要だろう。3日連続で食べてもまるで飽きがこない。今後もこの宿に泊まっている間は頼み続けるだろうな。
存分に食事を楽しんだ後、私は一度”囁き鳥の止まり木亭”の外に出た。
午後の鐘は、そろそろ8回目が鳴ろうとしている。これからギルドマスターに会わないとな。
冒険者ギルドに入れば、直ぐにエリィが私の元まで来て出迎えくれた。
このままギルドマスターの元へ案内してくれるのだろう。だが、エリィの表情は少し浮かないように感じる。何かあったのだろうか?
「すみません。ギルドマスターは少々悪戯好きなところがありまして、本来ならば専用の部屋に案内すべきなのですが、いつもの場所で話がしたいと聞かなくて…」
「場所に関しては防音性がしっかりとしていればそれで良いさ。駄目なら駄目で私が何とかするだろうしね」
「な、何とかできちゃうんですね…。ああ、いえ、今はそういう話じゃなかったですね。ギルドマスターの我儘を受け入れてくれてありがとうございます。此方で、ギルドマスターがお待ちです」
「この場所は…エリィ、確かに此処はいつもの場所だけど…?」
そう聞いてみたが、エリィは頭を申し訳なさそうに頭を下げて何も言わない。部屋の扉には文字が掛かれている。
―――第三査定室―――
私がいつも納品物を査定してもらっている場所だ。
つまり、ギルドマスターと言うのは、彼のことなんだろうな。
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