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ゆのでい🍄🩵

3,365
夕方。
木村家のリビングには、重たい空気が流れていた。
テーブルの前には――
高一の樹。
金髪。
ピアス。
足を広げて座る姿は完全に不良。
だが顔はめちゃくちゃ不服そうだった。
「……だからオレ悪くねぇって」
「先生三人から電話きてんだよ」
拓也が低い声で言う。
その横で優吾がスマホを見ながら説明した。
「“廊下をバイク音出しながら爆走”」
「チャリな?」
「“窓から購買パンを釣ろうとして騒ぎ”」
「効率重視」
「“授業中に筋トレ大会開催”」
「男子全員ノった」
「全部ダメなんだよ」
風磨が即ツッコむ。
ソファでは涼介が腹抱えて笑っていた。
「樹マジでおもろすぎる」
「笑い事じゃねぇ」
拓也は頭痛を堪えるようにこめかみを押さえた。
「しかも最後」
優吾が読み上げる。
「“教師に向かって『テメェさては更年期だな?』と発言”」
一瞬、静寂。
風磨が吹き出した。
「アウトすぎるだろ」
「だってイライラしてたから!」
「思っても言うな」
☆
その時。
ピンポーン。
「……誰だ」
嫌な予感しかしない。
玄関を開けると、そこには――
樹の担任が立っていた。
全員固まる。
「こんばんは木村さん…」
「すみませんほんとに」
拓也が即謝る。
だが担任は疲れ切った顔で言った。
「今日は樹くんを怒りに来たわけじゃなくて…」
「?」
「彼、ケンカ止めたんです」
一同「え?」
担任がため息混じりに話し始めた。
「上級生が一年を囲んでて。樹くん、“ダセェことしてんじゃねぇ”って止めに入って」
風磨がニヤッと笑う。
「っぽい」
「でも止め方が問題で…」
「はい」
「ゴミ箱を蹴り飛ばしました」
「やっぱダメじゃねぇか」
☆
担任は苦笑した。
「ただ、あの場で助かった子はかなり感謝してました」
樹は気まずそうに視線を逸らす。
「……別に」
「あと」
担任が少し笑った。
「“先生来るまでオレが見てるから泣くな”って」
リビングが静かになる。
風磨が樹を見る。
拓也も。
優吾も。
樹は急に居心地悪そうになった。
「……なんだよ」
その時。
大我と北斗が駆け寄る。
「じゅりにぃヒーローじゃん!!」
「つえーー!!」
慎太郎まで拍手した。
「ひーろー!」
ジェシーはキラキラした目。
「じゅりにぃ かっけぇ…」
康二も小さく頷く。
「……やさしい」
樹は完全に照れた。
「うっせぇな!!」
風磨が爆笑する。
「顔真っ赤じゃん」
「うるせぇ金髪!!」
「おまえも金髪だろ」
☆
その夜。
拓也はこっそり担任に頭を下げた。
「……すみません、バカで」
担任は笑った。
「かなり問題児ですけど」
「はい…」
「でも、いい子ですよ」
その言葉に。
拓也は少しだけ、嬉しそうに笑った。
――――――――――――――――――――――
END
コメント
1件
ああもう樹くんカッコよすぎか!!😭💕 「ケンカは止めたけどゴミ箱蹴り飛ばした」のオチに笑ったし、その後の子どもたちへの優しさとか担任の先生の台詞とか…エモすぎて鼻血出るわ🫶 樹くんのツンデレっぷりと家族の空気感がたまらんのよ…次は停学になるのかな?続きめっちゃ気になる!!