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花月夜れん
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柴田
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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──『黒空のユウマ』⋯⋯本名、『ユウマ・カミシロ』。黒髪黒目が珍しく、その異名はついた。
「たっだいまぁ!」
「「「「「ユウマぁ!! いったい2週間も、どこに行ってたんだ!!」」」」」
「や゙ー、ごめんごめん゙。今回はホントに゙参ったよ〜。水一滴もな゙いカラッガラのメサに飛んでた! あ゙ー、喉がヤバイ゙〜、お水ー!!」
「「「「「ホントにそれはどこなんだ!?!?」」」」」
──ユウマは私たちにとって、いろんな意味で特別な存在だったの。
──アイツも魔力の器を持たない異邦人だ。
──同じように追放されたワタシたちを誘って、温かく受け入れてくれた。
──ユウマに出会って、一緒に暮らすようになった⋯⋯まるで太陽のような存在。
──手に入れたスキルは『瞬時空間転移』⋯⋯魔術でも未だ至っていない領域といわれる、すげぇ力だ。だが、制御できなければ意味がないという理由で追放された。
──少しでも魔素を取り込みすぎると、すぐどこかに転移してしまう⋯⋯いつも気が気でなかったのよね。
──だけど、アイツはへこたれずにその力と向き合い続けた。魔術の研究もしていたっけな。魔力がないから、補助器具を友人に作ってもらったんだとか⋯⋯ヒヒッ。
「みんなぁ! 見てくれよ!」
そう言ってユウマは、1枚の銅貨を俺たちに見せた。三日月の形と、中央には『Nox』の文字が彫られていた。
「僕たち異邦人組⋯⋯いや、新たに設立する『ノクス協会』のマークさ!」
「はぁ⋯⋯『ノクス協会』⋯⋯?」
「『ノクス』って確か、『夜』って意味よね?」
「僕たちは仮にもスキルを持った転移者だ。迷惑をかけることもあると思うけど⋯⋯それでも、何かできることがあると思うんだ! まずは冒険者ギルドの懸賞金をなくすために、ギルドにも表立って手を出せない裏の依頼をこなしていく。そのたびにこの銅貨を現場に置いておくんだ。僕たちがやったって分かるようにね! 怪盗みたいで、カッコイイだろ?」
「『かいとう』? が何かは知らないけど⋯⋯それをやって何になるの?」
「僕たちの存在が世に知られることになる! それも、悪評じゃない。世のためになる、一人一人の人間として! そうすれば、きっと⋯⋯」
──俺たちは凄く嬉しかった。忌々しいこの力のせいで、悪評が広まるばかりの人生にうんざりしていた。
──けど、アイツだけは諦めていなかった。どこまでも前向きで⋯⋯ヒヒッ、ワタシたちは、そんな性格に惹かれていたのかもな。
「きっと⋯⋯こんな暗い洞穴の中じゃない! もっと広い世界で! 僕たちは自由に生きていけ⋯⋯あっ」
「「「「「うわあああ!! ユウマぁぁぁ!!」」」」」
熱弁したせいで、魔素を取り込みすぎたのだろう。何の予備動作もなく、忽然と姿を消してしまった。
「まーた飛んでったよ。呼吸には気をつけろっていつも言ってるのになぁ」
「話途中だし⋯⋯また1週間は帰ってこないだろうなぁ」
「って、アイツ資金の銅貨をいじったのか!!」
「もうこれ、お金として使えないわねぇ」
「よーし、節約するぞー。まずはアリスのお酒禁止な」
「ちょっ、シオン、それはひどくない!?」
──俺たちはまたユウマが帰ってくるまでの間⋯⋯ユウマの言葉通り、ギルドの裏依頼を受け続けた。
── そして今から半年くらい前に⋯⋯。
「たっだいまぁ!! みんな、見てくれ! 大成功だ!!」
「おー、おかえり〜」
「そんなにはしゃいで、どうしたんだ?」
「冒険者ギルドが、僕たちの懸賞金を取り下げてくれるって!! あの子、ちゃんと話してくれたみたいで⋯⋯」
「っしゃあああ! ついに日の下で暮らせるぞぉ!!」
「「「「「カンパーイ!!」」」」」
俺たちは酒やらジュースやらを開けて、盛大に祝いを始めた。
「いやいやいや! まだ指名手配は残るんだよ!?」
「わーってるよ、そんくらい! けど、あとちょっとで、俺たちの存在が認められるってことだろ!!」
「うん⋯⋯けど、1つだけいいかな? 問題があって⋯⋯」
「? なんだよ」
ユウマは俺たちに、珍しく神妙な顔で話し始めた。
「今回、懸賞金を取り下げる条件として、僕たちが本当に善人かどうか確かめたいって言うんだ」
「確かめるって⋯⋯冒険者ギルドが?」
「あぁ⋯⋯依頼内容は、『グレイレーゼ侯爵家の暗殺』だ」
「『グレイレーゼ』って⋯⋯あの辺境を治めてる?」
「北の帝国と繋がってるって噂もあったな」
「ヒヒッ、懐かしいなぁ。『異世界人の召喚』なんて、もう帝国しかやってないんじゃないか?」
「『戦乱の世で名を挙げる』とか、わけ分からないこと言ってる、戦闘狂の家系だよね? そんなところのお膝元で、暗殺って⋯⋯」
「あぁ。凄く危険だ。常日頃からバトルセンスを磨いている彼らの隙を突くことは、難しいだろう。貴族だけでなく、末端の民までもが戦を望んでいる。暗殺だから、グレイレーゼ家の屋敷に侵入することが必要不可欠⋯⋯」
「帝国との繋がりを断つために、俺たちを当てにしたか」
「ねぇ⋯⋯危ないんじゃない? 別に、他の依頼でも⋯⋯」
「いや、せっかく機会が設けられたんだ。このチャンスは逃したくない」
「っでも!」
「まずは僕一人で、偵察に行ってみるよ。大丈夫、いざというときは無理にでも『狂奔』で逃げ切ってやるさ」
──そう言ってユウマはニカッと笑った。アイツ、本当に嬉しそうだった。
──ボクたちは、納得いかなくて⋯⋯鎖でグルグルに巻きつけてでも止めようと思った。
──でも、ユウマの真剣な顔を見たら、誰も止める気なんてなくなってしまった。
──結局、今日まで帰ってきてない⋯⋯。
「なるほどなぁ」
俺は洞窟の中を物色しながら、5人の話を聞いていた。
「これ、何?」
六角形と五角形で作られた、白黒の布製の球を見つけて俺は興味を持つ。縫い目もきれいで、よくできてるなぁ。
「えーっと、それはユウマがこの世界に召喚されたときに持ってた『サッカーボール』っていう⋯⋯って、話聞いてた!?」
「え? いつ『瞬時空間転移』の話あったっけ?」
「大事なのそこ!?」
「いや、だって⋯⋯思ってたより深刻そうだし⋯⋯なんか途中から暗いし⋯⋯長いし⋯⋯」
「アステル様⋯⋯そろそろおれも怒りますぜ?」
カグアがムッとした顔を近づけてきた。
う⋯⋯悪かったよ。
「要するに頼みごとってのは、一緒にユウマを探してほしいって話か?」
「ええ、そうよ! 話が早いわね、アステル君」
アリスは喜びを表しながら、俺に詰め寄る。シンたちも俺を説得してきた。
「グレイレーゼ侯爵家に行くのは、かなり危険でな。俺たちだけじゃあ、ユウマを探す前に見つかって終わりだ⋯⋯だから⋯⋯」
「その⋯⋯アステル⋯⋯だめ、かな?」
ふむ。かなりの面倒事になりそうだが⋯⋯それでも、『瞬時空間転移』の研究ができるなら、やってみる価値はあるな!
「よし、行こう!」
俺は洞窟に反響する高らかな声で宣誓した。途端にみんなの声も明るくなる。
「わあっ! ありがとう、アステル君!」
「アイツが無事に見つかるといいんだがなぁ」
「どれ、ワタシは弁当を作ってくるよ」
「ボクも! 荷物の用意をしてくるね! もちろん、アステルの分も! ちょっと待ってて!」
「オレも⋯⋯」
5人は口々に、明るい未来予想図を話しながら準備を進めていくのだった。どれ、俺も何か手がかりになるものがないか、物色を続けるか。
コメント
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**第22話、めっちゃ良かったです!🔥** ユウマ、超いいやつじゃないですか…!制御不能なスキルで追放されてもへこたれず、仲間と「ノクス協会」作って社会に認められるために動くスタイル、胸熱すぎます。懸賞金下ろす条件でまさかの侯爵家暗殺依頼…そして単身偵察に行ったきり未帰還って、めっちゃ気になる展開! アステルがサッカーボール見つけて話聞いてなかったシーン、ちょっと笑いました(笑)。でもその軽さがこの話の重すぎないバランスになってて好きです。 ユウマの「自由に生きていけ…あっ」で消えるギャグセンスもツボでした。続きめっちゃ気になるので、ユウマ無事でいてほしい…!蒼依ジンさんのキャラの掛け合い、ホントに丁寧で読みやすいです✨