この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません
階段の上から鍵を探す。
しかし階段やコンクリートのグレーは、いとも簡単に鍵の銀色を飲み込んでいた。
キーホルダーでもつけておけば良かったと 、心から思う。
あの小さな鍵を、この場面で見つけるのは困難だ。
影を見る事なく。
いや、特に栗橋を見る事なく。
(落ちたのは、この辺りだから)
僕は必死に階段や地面に目を凝らした。
一段目、二段目、三段目だろうか。
今日に限ってアパートには灯りが点いてた、今日に限ってポケットの物を落とす、今日に限って。
まるで、誰かが僕らの努力をあざ笑っているかのようだった。
「くそ……暴れるなよ。佐伯君! こっちへ来るな!」
栗橋が声をあげると、視界の隅に映り込み始めていた影が、栗橋の方へと移動す*************
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