テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第4話 許可されない土地
境界は
はっきりしていない
だが
踏み込めない空気がある
チョップは
前に出る
厚い背
盛り上がる筋肉
古い傷が張る
足運びは静か
壊さない角度を選んでいる
一歩
空気が
止まる
見えない壁が
そこにある
チョップは
それ以上
進めない
不許可
理由は
落ちてこない
言葉も
視線も
ない
チョップは
退かない
だが
踏み込まない
拳を握り
ほどき
境界の外に立ち戻る
次に
イチョウが前に出る
細い体
布装備が揺れる
呼吸は少し早い
足先が
境界に触れる
空気が
開く
許可
イチョウは
一瞬だけ
振り返る
何か言いかけて
やめる
チョップは
表情を変えない
筋肉の緊張を
静かに解く
中へ進む
イチョウの背は
少し小さく見える
奥で
ドラギが見ている
小さな体
未発達の翼
息は一定のはずだった
だが
わずかに
揺れた
初めての不許可
初めての分断
ドラギは
二人を
同時に見る
境界の外に立つ背中と
中へ進む細い影
どちらも
間違っていない
判断が
揺れる
まだ
答えは
出さない