❤️「俺さ、佐久間だったら、いいよ」
濁りのない目で、舘がそんなことを言うもんだから、俺は口に持っていったハイボールを思い切り吹いてしまった。
お世話になってる番組の曜日メンバーでの飲み会。芸人さんたちは世話になってる大先輩の呼び出しにあったとかで、根こそぎいなくなってしまった。残ったタレントさんも、家庭がある女性や彼氏と約束があるアイドルたちは帰ってしまい、スタッフが数人残っているだけだった。
酒好きな舘が、名残惜しんで飲み続けているので、グループのメンバーとして放っておけずだらだらと付き合っていたのだが…いつのまにか話が性処理の話題に及んで、舘がいきなりそんなことを言い出したのだ。
え?そんな話の流れだったっけ?
酔わないように気をつけて、間に水を飲むように心掛けていたが、俺もいつもよりは酒が進んでいる。目の前のハイボールも4杯目に突入しようとしていた。
🩷「俺ら、何の話してたんだっけ」
❤️「溜まってる、って話だよ」
舘は顔色も変えずに繰り返す。
表情こそ酔ってないが、ワインボトル1本は確実に1人で空けたはずで、かなり酔っ払っているに違いなかった。もう2本目も半分近く減っている。
🩷「そうか…話題変えるか」
俺が話を逸らそうとすると、舘がいきなりキスしてきた。
🩷「やめ……んっ……」
酒臭い息が、前髪までかかって、不快になる。誰も見ていなかったようで、それだけは幸いだった。
🩷「酔っ払いすぎだ。帰るぞ。送る」
そう言うと、分厚い身体の舘を、なんとか抱え起こして、タクシーを待った。
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