テラーノベル
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薄暗い部屋の中。
女性は、愛おしい我が子を見つめるような優しい眼差しを向けていた。
「|有栖《ありす》・・・」
その名を、慈しむように呼ぶ。
「今日もかわいいね」
もちろん、返事はない。
それでも女性は気にする様子もなく、穏やかな笑みを浮かべた。
「有栖・・・」
少し間を置き、溢れる想いを伝えるように囁く。
「愛してるよ・・・」
母親が我が子に語りかけているかのような、どこまでも優しい声だった。
しかし、その視線の先にいたのは、子供ではない。
ガラスケースの中に静かに座る、赤い着物を纏った一体の日本人形だった。
#普通
野々さくら
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ありあ
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コメント
1件
×××さん、第211話読みました。 「有栖」という名を与えられた日本人形——呼びかける女性の慈愛に満ちた声音と、ガラスケース越しの赤い着物の対比が強烈で、一気に引き込まれました。母親が我が子を想うような優しさが、対象が人形であることで奇妙な歪みを帯びていて、怖いのに目が離せません。この「File8」、どう転んでいくのか気になります。