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朝5時少し前。
先生の四角い車は、防波堤手前の駐車場に辿り着いた。
「やっぱり海はいいですね。ちょっと風が冷たいけれど」
「私は海が遠かったので、海水浴くらいでしたわ」
「私も似たような感じかな」
先生の言葉に、美洋さんと彩香さんがそんな感想。
まずは車からグッズを色々おろす。クーラーボックスや椅子や竿ケースやバケツ等だ。
これを防波堤内側の、出来るだけ先端近くへ。
人数がいるから一気に運べる。
先端部は人が何人かいたので、その少し手前に陣取った。
そして持ってきた一式を広げる。
「竿や仕掛けは自分で選んでね。無難なのは投げサビキ仕掛け。だけど他に作戦ある人はお任せしますね」
「了解であります。なので、そこそこ短めのこの竿をキープと」
「私はこの一番短いのだな」
こだわりがありそうな2人が、真っ先に自分の竿と仕掛けを選んだ。
残った僕と彩香さん、美洋さんは、残った竿を適当に取る。
僕ら3人は投げサビキという仕掛け。
ウキの下に餌を入れるカゴをつけ、その下に針がいっぱいついたサビキ仕掛けというのをつける。
一番下はおもりだ。
仕掛けをひととおり作って、餌の極小コマセをカゴに入れて。
先生の指導のもと、1人ずつ仕掛けを投げ入れる。
仕掛けを投げるのは、思ったより難しい。
思ったより横に飛んだり、手前で落ちたり。
まだ人が少ないから大丈夫だけれど。
3人とも投げて、魚が来るまで待ちモードに入る。
その間にバケツで水をくんだり、椅子を出したりセッティング。
なお先輩は、2段になっている堤防の高くなっている外側にいる。
テトラポットのあたりを、ちまちま探っている様子。
仕掛けは、おもりと針1本のみという簡単な奴だ。
そして未亜さんは、エサも仕掛けも無し。
エビみたいなピンクっぽい疑似餌をつけて、岩と海藻のあたりを探っている。
最初に反応があったのは先輩だった。
「来た。でも小さいな」
そんな事を言いながらリールを巻いて、そしてこっちに見せにくる。
「ミニチュアサイズのカサゴ。トゲがあるから触るなよ」
魚掴みとラジオペンチで針を外し、海水入りのバケツの中へ。
「食べないから逃がすけれど、寂しいからちょっと中で泳がせとくぜ」
そう言って自分の仕掛けに餌を付け、また堤防を上ってテトラの方へ。
そして次に動いたのは美洋さんだった。
「あ、ウキが消えました」