テラーノベル
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ファミレスへやって来た茜は、店内を見回したところで、ふと首を傾げた。
「あれ?」
その視線の先、少し離れた奥の席に見覚えのある姿があった。
「どうかしたか?」
焔垂が尋ねると、茜はその席を指さす。
「あれ、美月ちゃんじゃん!ほら」
そこにいたのは、担任である美月だった。
「一人かな?」
「いや、グラスが二つ置いてあるから
連れの人トイレじゃね?」
「あ、そっか。もしかして彼氏かな?」
「まぁ、未婚みてーだし
仮に彼氏が居ても問題ねーだろ
そっとしとい──」
焔垂が言い終えるより早く、茜は口元にいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「ちょっと脅かしちゃおっと」
「お、おい!辞めろって!怒られても知らねーぞ?」
焔垂の忠告など聞く耳を持たず、茜は足音を忍ばせながら、美月の背後へゆっくりと近づいていく。
そして──「わっ!」
美月の背後で声を出す。
「きゃああ!」
突然の声に、美月の身体が大きく跳ねた。
「な、何!?」
恐怖に引き攣った顔で勢いよく振り返る。
そこに立っていたのは、満足げに笑う茜だった。
「私だよ♬私♬」
「す、菅生さん!?」
驚きが収まらない美月は、胸元を押さえながら大きく息を吐いた。
「まったく・・辞めてよね?心臓に悪いわよ」
「やっぱ美月ちゃんって可愛い声出すよね(笑)」
「あー、そういう事言う、あーはいはい
分かりました分かりました」
美月は呆れたように茜を見る。
「どうやら単位はいらないみたいね
なら菅生さんは──」
「だぁー!ごめんごめん!冗談だってば!」
慌てて謝る茜の後ろから、焔垂がやって来た。
「ほれ見ろ!だから言ったろーが」
「あら、八乙女くんも一緒だったのね」
美月は二人を交互に見比べると、わずかに口元を緩めた。
「もしかしてデート?」
「ま、まぁ・・そんなとこっスね」
焔垂は少し照れくさそうに、曖昧な返事をした。
するとそこへ、一人の女性が歩いてきた。
「なんか騒がしいですね」
「ああ、ごめんね。たまたま
教え子に会ったもんだから」
美月がそう答えると、茜は興味津々といった様子で女性を見つめた。
#普通
野々さくら
543
805
44
ありあ
159
「美月ちゃんの知り合い?」
その言葉を聞いた女性の表情が、一瞬にして驚きへと変わる。
「み、美月ちゃん!?」
「コラ!だから先生だってば!」
美月は慌てて茜をたしなめる。
そのやり取りを見ていた女性は、思わず小さく笑った。
「ふふふ。教え子からも愛されてるみたいですね」
「舐めてんのよ、教師を(笑)」
美月は呆れたように返すが、その表情はどこか楽しそうだった。
「そういえば、紹介が遅れたわね」
女性は改めて茜と焔垂へ向き直る。
「私は吉次美沙
美月さんの大学時代の後輩なの」
「ああ、なるほど」
茜が納得したように頷く。
「ちょっと美月さんに相談したい事があってね」
それを聞いた美月は、ふと思いついたように二人を見た。
「あ!そうだ!せっかくだから二人も
美沙の話を聞いてあげてくれる?」
「え?俺たちが?」
突然話を振られた焔垂は、戸惑ったように首を傾げる。
「美沙!この子達が私が顧問やってる
怪異探求倶楽部の部員なの」
「ああ!詐欺師を捕まえたって言う?」
茜は少し得意げに胸を張った。
「いやぁ〜♬有名人はツラなぁ〜♬」
「なら話聞いてもらおうかな」
焔垂は美沙の様子をうかがいながら尋ねる。
「何か怪奇な事でも?」
その問いに、美沙の表情から先ほどまでの柔らかな笑みが消えた。
少しの沈黙のあと、彼女は静かに口を開く。
「そうなのよ・・・」
コメント
1件
×××さん、こんちは~はる。です! 今回のエピ、めっちゃほっこりしたわ~。 茜ちゃんの「美月ちゃん」呼びで先生が慌てるところとか、焔垂が「デート」認めて照れてるとことか、キャラの関係性が良く出てて微笑ましかった。 最後の美沙さんの表情の変化で一気に怪異の匂いが…続きが気になる!次回も楽しみにしてます🔥