テラーノベル
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車がカレーの店へ到着すると、二人は中でカレーを選んだ。
メニューには、バターチキンカレーやキーマカレー、グリーンカレーなどの定番メニュー以外にも、珍しい種類のカレーが並んでいる。
その中から奈緒はキーマカレーを、省吾はグリーンカレーを選んだ。
テイクアウトしたカレーを車に持ち込むと、車内が良い香りに包まれる。
「美味しそうな匂い」
「だろ? ここのは美味いんだ。腹ペコだから帰ったらすぐ食べよう」
省吾はそう言って車をスタートさせる。
カレー店から省吾のマンションまではすぐだった。
省吾の自宅は、奈緒が想像していた通りのタワーマンションだった。
車が地下駐車場入ると奈緒がクスッと笑う。
「何が可笑しいの?」
「だって想像通りタワマンなんだもん」
「IT企業の経営者と言えば、タワマンが基本だろう?」
ドヤ顔で言った省吾を見て、奈緒はまたクスクスと笑う。
奈緒は車を降りたあたりから、心臓がドキドキしてくる。
一人暮らしの男性の家に行くのは久しぶりなので、少し緊張していた。
その緊張を紛らわせるように、奈緒はエレベーターの中で省吾に聞いた。
「このマンションは何階建てなのですか?」
「40階建てだよ」
「そこの何階?」
「40階。俺はキリ番が好きだからね」
その言葉に、また奈緒がクスッと笑う。
高級タワマンの最上階から見る景色は、一体どんな風景なのだろう?
奈緒は期待に胸が膨らむ。
「夜景も綺麗?」
「もちろん。今夜見られるね」
自宅からホテルのような夜景が見えるなんて、なんとも贅沢だ。
奈緒の期待は更に高まる。
40階へ到着すると、省吾は中廊下をまっすぐ歩いて行った。奈緒もそれに続く。
一番突き当りまで行くと、省吾が足を止めた。
「4001号室?」
「俺は『1番』も好きなんだ」
「フフッ、子供みたい」
「キリ番階の1号室! 覚えやすいから年老いて物忘れが激しくなっても大丈夫!」
省吾が再びドヤ顔で言ったので、奈緒もまたクスクスと笑った。
省吾は玄関のドアを開けると「どうぞ」と言った。
「急だったんで散らかったままだけど」
「お邪魔します」
奈緒が中へ入ると、目の前には真白な大理石の廊下が見える。
玄関も廊下も白で統一されているのでとても明るい。スッキリと洗練された内装は、まるで高級ホテルのようだ。
リビングへ入ると、そこは信じられないほど広かった。
壁一面にはめ込まれたガラス窓からは、都会のビル群を見下ろせる。
建ち並ぶビルの合間からは東京タワーも見えた。
思わず奈緒は窓辺へ駆け寄ると、省吾に質問した。
「スカイツリーも見えますか?」
「うーん、今はまだ明るいから霞んでて見え辛いかなぁ。でも夜になったら一発でわかるよ」
「うわっ、見えるんですね! 楽しみ!」
奈緒がいつまでも窓の外を眺めていると、省吾が夕食の準備を始めたので奈緒も慌ててキッチンへ向かう。
キッチンへ向かう途中、室内の様子が大体わかった。
窓辺にはグレーの大きなカウチソファーが置いてあった。そしてソファーの正面には大きなテレビがある。
壁際にあるシンプルなサイドボードには、センスの良いオブジェがいくつか並び、その上の壁には絵が掛かっていた。
おそらく現代アートの有名画家のものだろう。
室内には大きな観葉植物の鉢植えがいくつかあり、日当たりがいいせいかどれも生き生きとしている。
省吾は散らかっていると言っていたが、元々物が少ないので綺麗に片付いている。
部屋の隅にあるキッチンは、白一色で統一され清潔感に溢れていた。
キッチンはまだ新しく、あまり使われた形跡がない。
そしてキッチンの傍には大きなダイニングテーブルが置かれていた。
キッチンへ行った奈緒は、シンクの中に使いっぱなしのマグカップやコップが無造作に置いてあるのを見つけた。
(コップを洗う時間もないんだわ……)
奈緒はそんな風に思っていた。
芙月みひろ
すると、料理を並べ終わった省吾が奈緒に声をかける。
「冷めないうちに食べようか」
「はい」
奈緒が席に着くと、省吾が白ワインを持って来る。
「今日はお酒は……」
「少しくらいならいいでしょ? リラックス効果もあるし」
奈緒が緊張しているのを、省吾はお見通しのようだった。
ワインで乾杯した後、二人は早速食べ始める。
奈緒はカレーを一口食べると、びっくりした表情で言った。
「すごく美味しいです」
「だろう? あの店はオープンしてからずっと大繁盛なんだよ」
「おうちの近くにこんな美味しいお店があるのっていいですね」
「うん、すごく便利だよ。俺は週一は通ってる」
省吾はそう言って笑った。
(そっか、食事はいつも外食かテイクアウトって言ってたわね)
奈緒はこんな素敵なキッチンがあるのに勿体ないと思い、省吾に質問をする。
「おうちでは全くお料理しないんですか?」
「カップ麺は時々食べるよ」
「いえ、それは料理じゃありませんから」
「お湯を沸かすくらいは出来まーす」
省吾が自慢気に言ったので、奈緒はまたクスクスと笑う。
そんな雰囲気の中で、二人は楽しい会話を続けながら食事をした。
カレーを食べ終えると、奈緒がグラス類を片付ける。
その間に省吾が室内に音楽を流し始めた。夜景に似合うしっとりしたジャズだ。
片付けを終えた奈緒は、再び窓辺まで行った。
外はすっかり暗闇に包まれている。それと対比するようにビルの明かりが輝いていた。
その輝きを見つめていた奈緒は、突然「アッ」と叫ぶ。
スカイツリーを見つけたようだ。
「スカイツリー、見えました」
「夜の方がわかりやすいだろう? この部屋はスカイツリーと東京タワーの両方が見られるからいいんだよなぁ」
省吾はそう言って奈緒の隣まで来ると、一緒に窓の外を眺めた。
コメント
25件
省吾さんったらタワマン住まいとはカッコイイ😆💛 夜景もキレイなんだろうな。 これからの事を思うとお互いドキドキそわそわかしら🤭💕
省吾さんはやっぱり期待を裏切らないですね。 ちなみにウチも今日カレーです。(どうでもいいw)
一番やキリ番が好き←そうゆうトコ 使いっぱなしのマグ←そうゆうトコ お湯を沸かすだけ←そうゆうトコ 週一カレー←そうゆうトコ 省吾さん、やっぱり私の好きのツボがいっぱいなのーΣ>―(〃°ω°〃)♡→ズキュン さささ、めくるめく官能の世界へ(灬´ิω´ิ灬)♡