しばらく二人で夜景を眺めた後、省吾はソファーに座ると奈緒に言った。
「奈緒、おいで」
省吾は自分の膝の上をトントンと叩く。
奈緒は一瞬緊張したが、今夜は省吾ときちんと向き合おうと思っていたのですぐに覚悟を決める。
そして省吾の傍まで行くと、省吾の膝の上に横向きに座った。
すると省吾が奈緒の喉元に顔を埋める。
「フーッ、落ち着くな……奈緒の匂いは」
「今日は暑かったから汗臭いでしょう?」
「そんな事ないよ。いい匂いだ」
二人の間に一瞬優しい沈黙が訪れる。
「なぁ奈緒……初めて会った日の事を覚えてる?」
「もちろんです。季節外れの大雪の日でしたから」
「あの日は本当に雪が凄かったな」
「はい。それにすごく寒かったし」
「アレは銀雪って言うんだよな?」
「銀雪?」
「そう。銀色に輝いて見える雪を銀雪って言うらしい」
「へぇ……知らなかったです」
「俺も何かで読んで覚えてたんだ。あの日、銀色の雪が舞い落ちる浜辺で奈緒を見つけた時は、天使か女神がいるのかと思ったよ」
「フフッ、女神は言い過ぎです」
奈緒は可笑しそうにクスクスと笑った。
「いや、マジでそう思ったんだよ。だから俺はあんな雪の中、君の傍まで行ったんだ」
「そうなの?」
「うん。でも俺の勘は間違ってなかったんだな」
「間違ってなかったって……何が?」
「いずれ俺達は結ばれる運命にあるっていう事だよ」
「あ……」
そこでふいに省吾が奈緒の唇を奪う。奈緒の言葉は途中でかき消されてしまった。
二人のリップ音がジャズの音色と絡み合う。
省吾はありったけの愛情を込めて奈緒にキスを続ける。
やがてキスは徐々に激しくなっていった。
息が出来ないほどの勢いで、省吾は奈緒の唇を堪能する。
気付くと奈緒はソファーに押し倒されていた。
省吾はキスを続けながら、奈緒のサマーセーターをあっという間に脱がせてしまった。
奈緒の上半身はレースのブラジャー一枚だけとなる。
自分だけ裸同然なのは嫌だったので、奈緒は省吾のTシャツの裾を捲り上げた。
それに気付いた省吾は一旦奈緒から離れると、腕をクロスしてTシャツを脱ぎ捨てる。
そして再び奈緒を抱き締めキスをした。
二人の素肌が触れ合った瞬間、奈緒の心臓が大きく高鳴る。省吾の肉体は想像よりも逞しかった。
キスを続けながら、今度省吾は奈緒のブラジャーをあっさりと外した。
そして奈緒の美しい両の乳房を眺めると、感嘆の声を上げた。
「ああ奈緒、なんて美しいんだ」
省吾は悦びの笑みを浮かべたまま両手で奈緒の柔らかな膨らみを捉える。
「ハァッ……」
省吾の手の感触を直に感じた奈緒は、熱い吐息を漏らした。
「あんっ……」
省吾の指が硬くなった蕾を捉えた時、奈緒は思わず身体をよじって喘ぐ。
感度のいい奈緒の反応を見た省吾は、さらに執拗に蕾を攻め始める。
しばらく指で愛撫を加えた後、今度はそのツンと尖った蕾を口に含む。
「あんっ……やっ……んっっ」
あまりにも鋭い刺激に奈緒の喘ぎが止まらない。奈緒は省吾のテクニックにすっかり翻弄されていた。
省吾の愛撫に反応し続ける奈緒の身体からは、熱い蜜が溢れ出してくる。
(あぁっ……凄い……)
こんな感覚は初めてだ。
省吾から与えられる強い快感は、徹の時とは全く違う。
(この人は女性の身体を知り尽くしている……女性が悦ぶポイントは全てわかっているんだわ)
奈緒がそう思っていると、再び唇を奪われた。
「あっ…はぁっ……ふぅん」
耳に省吾の熱い吐息がかかり、首筋を省吾の唇が這う。更に硬く尖った乳首は省吾の舌に弄ばれる。
一方で省吾の右手は奈緒の下半身をまさぐり始めた。
次々と強い快感が押し寄せて来るので、奈緒の喘ぎ声はどんどん激しくなる。
「あぁんっ……ハァッ……ふぅっ……」
奈緒の色っぽい声に刺激を受けた省吾は、突然奈緒のスカートとストッキングを脱がせた。
省吾の愛撫を受けながら、奈緒は無意識に窓の方を見た。
すると曇り一つないガラス窓には、省吾の逞しい身体と奈緒のしなやかな肢体が映っている。
カーテンもしていない窓の向こう側には、まだ業務中のオフィスビルの明かりが見えていた。
外から丸見えの場所でこんなにも淫らな格好をしている……そう思っただけで、奈緒の身体からはまた愛液が溢れ出してくる。
その時省吾が身体を離して立ち上がった。
「奈緒、ベッドに行こう」
次の瞬間奈緒は省吾に抱き上げられ、寝室へ連れて行かれた。
コメント
13件
勝手に「雪」に魚へんをつけて、「銀鱈」と一瞬読んでもうた。はい。ごめんなさい。
ついに結ばれるのね(*,,˃ ᵕ ˂ )✰*。💕💕 まだソファだった😂これからいよいよベッドへ(*ノ∀`)ノ"
めくるめく世界へようこそ〜⸜(*ˊᗜˋ*)⸝❤