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#魔道具職人
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第24話: 【コラボ企画】能力を組み合わせたら超能力になった件
朝の受付場には、新しい札が増えていた。
能力は勝手に混ぜない。
初回は小さく試す。
危険なら中止。
ロッカ確認。
トオル確認。
サヨ確認。
ナギはその札を見て、スマホを開いた。
転生タイムライン。
次の転生者を準備中。
投稿傾向
コラボ企画
異なる能力の組み合わせ
超能力化
相性爆発
盛り上がり注意
ナギは小さく言った。
「混ぜすぎ注意だな」
ロッカが即答した。
「混ぜるな」
ミレナが目を輝かせる。
「でも、能力同士の相性は調べたい」
ロッカがにらむ。
「小さくだ」
トオルが札を持った。
「小規模検証なら可能です」
サヨはコメント欄を見た。
「現実世界は、もう組み合わせ案を出しています」
コメントが流れる。
料理と音楽を混ぜて。
玩具とダンボール。
大喜利とRTA。
ペット系とコメント欄。
レンヤと全員コラボ見たい。
危ないから小さく。
サヨが拾う言葉を選ぶ。
危ないから小さく。
広場の中央に、小さな丸い台が現れた。
コラボ検証台。
ロッカは眉を寄せた。
「勝手に台が出たぞ」
サヨが言った。
「今のは許容範囲です。小さい」
桶が言った。
「小さくてえらい!」
小桶も続いた。
「試す前に止まれてえらい!」
その時、広場に光が落ちた。
黄緑の上着。
茶色の髪。
企画ノート。
男は着地と同時に、周囲を見た。
「素材が多い。人も多い。企画になる。いや、まず確認から」
ロッカが短剣の柄に手を置いた。
「止まれ」
男は両手を上げた。
「止まります。合技マコトです。コラボ企画の動画を作っていました。歌い手と料理人、工作と検証、旅と掃除、意外な組み合わせで企画を作るのが得意です」
ナギのスマホが震えた。
能力名
コラボリンク
効果
異なる能力を組み合わせ、新しい効果を発生させる。
補正
目的の一致。
役割分担。
相手への理解。
見ている人の期待。
注意
盛り上がりだけで組むと暴走します。
ロッカが画面を見た。
「盛り上がりだけは禁止」
マコトは深くうなずいた。
「一番危ないやつです。コラボは勢いだけだと壊れます」
レンヤが静かに言った。
「分かります」
サヨも言う。
「コメント欄も、組ませたい気持ちが強いです」
マコトは企画ノートを開いた。
「なら、最初は役に立つ小さなコラボから」
最初の組み合わせは、まかなとリクだった。
料理音と調理。
まかなが包丁を動かす。
リクが小さく木箱を叩く。
たん。
とん。
たん。
とん。
音が整うと、まかなの手元が少し安定した。
切られた根菜が、同じ厚みにそろう。
ヨミトが言った。
「効果表示、調理精度上昇」
ミレナが書く。
「料理音コラボ。能力強化ではなく作業安定」
まかなは少し笑った。
「これは助かる」
リクも笑う。
「音で手元が揃うっす」
ロッカはうなずいた。
「危険は少ない」
次は、ツクルとミラだった。
紙芝居と絵札。
ツクルが注意事項を描き、ミラが表情と動きを足す。
止まる。
危険。
待つ。
助けて。
分からない。
絵が動き出し、海外の投稿者達にも分かりやすくなった。
サヨがコメント欄を見る。
「反応良好です。勝手な翻訳より安全」
マコトはうなずく。
「いいコラボです。目的が合ってる」
次は、レンとカイ。
玩具の誘導と地形作り。
小さなミニカーが走ると、その先にカイの低い壁が立つ。
道案内の練習だった。
教官車が、ぴ、と鳴る。
安全誘導成功。
ハヤテが目を輝かせた。
「案内ルート短縮に使えます」
ロッカが言う。
「走るな」
「歩いて使います」
桶が言った。
「歩いてえらい!」
その時、コメント欄が急に速くなった。
もっと大きいの見たい。
全員コラボ。
巨大技。
ボス倒せそう。
レンヤ中心でやって。
ナギも混ぜて。
広場のコラボ検証台が震えた。
マコトの顔が変わる。
「期待が強すぎる」
サヨが端末を操作する。
「拾わない。増幅しない」
しかし、台の上に光が集まり始めた。
料理。
音。
玩具。
建築。
絵。
コメント。
大喜利。
RTA。
全部が一度に引っ張られていく。
ロッカが叫ぶ。
「離れろ!」
ナギのスマホが熱を持つ。
コラボリンク
過剰接続。
マコトが歯を食いしばる。
「だめだ。目的がないまま混ざってる」
レンヤが前に出る。
「皆さん、落ち着いてください。大きな技はいりません」
でも、コメント欄の期待はすぐには止まらない。
見たい。
すごいの見たい。
全員の力を合わせて。
超能力を。
ナギは息を吸った。
お題。
盛り上がりだけで混ざった能力が、止まった理由とは。
ナギは叫んだ。
「お題! 全員コラボが始まる前に、一番大事だったものとは!」
光がさらに強くなる。
ナギは答えた。
「企画書に『何のためにやるか』が書いてなかった!」
光が止まった。
広場の中央に、大きな企画ノートが現れた。
目的
未記入
役割
未記入
危険対策
未記入
ロッカが即座に言った。
「中止」
トオルが札を立てる。
目的未記入のコラボは禁止。
サヨがコメント欄を整える。
目的を書いてから。
小さく。
役割を決めて。
安全第一。
コメント欄がゆっくりになる。
マコトは息を吐いた。
「助かりました。これ、現実でも大事なんです。盛り上がったからやる、だけだと壊れます」
レンヤがうなずく。
「数字が大きいほど、目的を見失いやすい」
ミレナが帳面に書く。
「コラボは足し算ではなく、目的の共有」
その日の夕方、本当のコラボ企画が始まった。
目的は、村の避難訓練を分かりやすくすること。
ツクルが紙芝居を作る。
ミラが絵を足す。
マヒロが短い歌をつける。
リクが合図音を作る。
ハヤテが歩く案内ルートを決める。
レンの教官車が危険地点を知らせる。
ミチルが必要な道具を置く。
こよりが魔物待機場の子達を落ち着かせる。
サヨがコメント欄を整理する。
レンヤが最後に静かに伝える。
これは見せ場ではなく、守るための練習です。
訓練は、うまくいった。
子ども達は矢印を見る。
海外の投稿者達は絵札を見る。
ゴブすけは確認する。
村人達は走らず移動する。
魔物達も大きな音に驚かず、こよりの合図で待つ。
最後に、桶と小桶が言った。
「避難できてえらい!」
「戻ってこられてえらい!」
広場に、やわらかな笑いが起きた。
夜。
ナギはスマホを開いた。
転生タイムライン。
コラボ企画
映像には、小さなコラボ検証。
過剰接続しかけた能力。
ナギの大喜利で企画ノートが現れる場面。
目的を決めてから避難訓練を行う場面が映っていた。
コメント欄は落ち着いて流れていた。
目的、大事。
全員コラボより避難訓練でよかった。
マコトさん企画うまい。
ナギの企画書大喜利助かった。
ロッカの中止判断助かる。
桶と小桶、今日もえらい。
マコトは画面を見て、少し笑った。
「コラボって、混ぜることじゃないんです」
ナギが聞く。
「じゃあ、何?」
マコトは企画ノートを閉じた。
「相手の良さを、同じ目的に向けることです」
ナギは広場を見た。
歌。
音。
料理。
工作。
旅。
絵。
コメント。
検証。
攻略。
大喜利。
みんな違う。
違うから、危ない。
違うから、強い。
スマホが震えた。
次の転生者を準備中。
投稿傾向
バズる能力
能力そのものが成長
拡散加速
ナギは画面を見て、少しだけ顔をしかめた。
「次は、またやばそう」
サヨがコメント欄を見る。
「拡散の話ですね」
レンヤが静かに言う。
「能力が大きくなるなら、止め方も必要です」
ロッカが札を見た。
「まず目的だ」
マコトがうなずく。
「それがないと、また暴走します」
桶が言った。
「目的があってえらい!」
小桶も続く。
「中止できてえらい!」
夜風が、企画ノートのページを少しだけ揺らした。
転生タイムラインは、次の広がりを準備していた。
コメント
1件
あ、今回面白かった!コラボ企画って聞くと「全員でド派手な技!」ってなりがちだけど、そうじゃなくて「目的を共有して小さく使う」ってところに着地したのがめちゃくちゃ納得感あったわ。ナギの「何のためにやるか書いてなかった!」ってツッコミ、まさにそれだよな。マコトさんの「違うから危ない、違うから強い」って言葉も刺さった。避難訓練をちゃんと目的にしたラストのまとまり方、構成上手いなーって思った。次は「拡散」の話か…またやばそうだけど楽しみ🔥