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高校一年生・仮名:Sさん
授業中や部活で、誰かが失敗すると、クラス中が笑ったり、ざわついたりします。
自分がそれを見て、なにも言えずにいるのが、すごく苦しくなります。
笑っていないのに、笑っている側と同じに思われてる気がして。
ほんとは、何か言いたい。でも、自分が何か言ったら、今度は自分が笑われるんじゃないかと思って、何もできません。
何もしないことが、どんどん自分を責める理由になって、しんどいです。
蓮司
「……それ、君が“ちゃんとしてる”ってことだと思うけどね」
「“なにも言わない”って、外から見たら“傍観”かもしれないけど、
内側ではちゃんと“痛い”って思ってるわけでしょ?
その感覚、むしろ捨てちゃダメなやつだよ」
遥
「……オレも、そうだった。
誰かがやられてるの見て、“やめろよ”って言えなかった」
「でも……黙ってる自分が、いちばんイヤだった。
後でめちゃくちゃ悔しくなる。何日も、何週間も」
日下部
「“見てしまった”って、それだけで傷になる。
自分が傷つくの、当たり前なんだと思う」
「“言えなかった自分”を責めるのって、
ほんとは、“何かしたい自分”がちゃんといたってことなんじゃないかな」
蓮司
「あとね、たぶん“空気”って、一番残酷だよ。
誰も声を出さないときの、あの“笑ってもいないけど止めもしない”感じ。
あれが集まると、加害より怖い沈黙になる」
遥
「“何もしなかった”って言うけど、
それ、ちゃんと“見てた”ってことでさ。
見て、苦しんで、それでも壊れなかったってことだろ。
それ、すげぇことだと思う」
日下部
「……誰かが声を出せなくなるとき、
たぶん、その場には“出せなかった誰か”がいっぱいいる」
「Sさんも、その一人だっただけ。
でも、“次は出したい”って思ってるなら、きっとそれは届く」
🗝三人からのことば
蓮司:
「“何もしなかった自分”を責める前に、
“痛みを感じた自分”を、ちょっとだけ褒めてみて」
日下部:
「見て、感じて、それでもその場に立ち続けたあなたを、
ちゃんと知ってる誰かが、きっと、どこかにいる」
遥:
「オレも、何も言えなかった日が、いっぱいあった。
でも、そのあと“言いたかった”って思ったのは、
ちゃんと“自分で在ろうとした”ってことだった」