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高校二年生・仮名:Tさん
家に帰るのがこわいです。
父親は外では「いい人」で通ってます。
でも家では、ちょっとしたことで怒鳴ってきて、
ときどき物を投げてきます。
「反抗するからだろ」「育ててやってるのに」って言われます。
母も見てるけど、いつも黙ってて。
「そんな親、どこにでもいる」って言われたら、
ああ、自分が甘えてるのかなって思ってしまいます。
でも、夜がくると、息が苦しくなって、うまく眠れません。
このまま大人になっていいのか、わかりません。
蓮司
「……“そんな親、どこにでもいる”って、どこのどいつだよ、それ言ったやつ」
「まずそれ、地雷だよ。
“よくある話”って言葉で誰かの傷をごまかすの、
いちばん雑で、いちばん冷たい」
遥
「……夜がこわいって、わかる。
家って、ほんとは安心できる場所のはずなのに、
そこが“攻撃される場所”になると、ほんとに、呼吸の仕方がわかんなくなる」
(低く絞った声で)
「甘えとかじゃないよ。むしろ……よく、壊れずにいられるなって、思う」
日下部
「“甘えてるのかな”って思うってことは、
きっとTさん、“人を責めるより、自分を責めることに慣れてる”んだと思う」
「でも、Tさんのその感覚は間違ってない。
怒鳴ることも、モノを投げることも、“育てる”とは言わない」
蓮司
「育てるってさ、
“お前のせいでこうなった”って言うことじゃないんだよね」
「それ、“支配”とか“弱いものいじめ”って呼ぶんだよ、ふつうは。
しかも“いい人”の仮面つけてんの、ほんとタチ悪い」
遥
「……うちも、父親がそうだった。
何か言うと“黙れ”って言われるから、
何も言えなくなって……
でも、それでも朝起きて、学校に行ってるだけで、
ほんとは、すげぇことなんだよ」
日下部
「“このまま大人になっていいのか”ってあったけど、
Tさんは、すでに“大人以上の我慢”をしてると思う」
「だから、ほんの少しでも、
“助けを求めていい場所”を、どこかに持ってほしい。
それがここでも、どこでもいいから」
蓮司
「てかさ、無理して“大人にならない”でいいよ。
“ああ、やばいな、今日ほんと無理”って日、
そのままの顔でいてくれたほうが、こっちは安心する」
(冗談っぽく肩をすくめながらも、目だけは鋭い)
🗝三人からのことば
蓮司:
「“家の中で殴られる言葉”に、“育ててやってる”ってタグ付けすんな。
それは暴力だよ。ちゃんと」
日下部:
「誰かの“怒鳴り声”の中で、
自分を保ち続けたあなたの存在に、
静かに拍手を送ってる人、ここにいるよ」
遥:
「“甘えてる”なんて、絶対に違う。
……それ、全部、生き延びるために、
君が選んできたかたちだから。……オレは、信じる」