コメント
4件
ここあからブロックされたということは、ミルクティーからもすでにブロックそれてそう😁だって同一人物と思ったるから〜ワタシ🤣 これでエンジェル👼綾子さんだけになったね!仁さん( *´艸`)フフフ いつ返信くるかね〜楽しみだね〜 ゎ‹ゎ‹ゎ‹ゎ‹💌
ここあ、キョーレツ😓😓😓 松なんちゃらのファンだわ、年収聞いておいてブロックとか.... 平日昼間にこんなメール出して✉️、 役員秘書はたぶん嘘っぱちだろうな~💧 まぁ~、ドラマ制作のための良いネタにはなりそうだね~~🤣🤣🤣
『ココア』の✉️も結果的に仁さんのリサーチには役に立ったね✨ それにしても話した挙句に年収とか…⁉️それ相応の方とのお付き合いや松何ちゃらのファンって言われた挙句の低所得申告でブロックされた仁さんの立つ背がないーーーっ😭😱 でも仁さんは『エンジェル』じゃなかったことが残念😢⁉️待ってた、ってことですね😆 綾子さんも美味しいお蕎麦とお買い物でリフレッシュ&リハビリで元気になって本当に良かった😊🌷
道の駅にはチーズ料理専門の店やオーガニック食堂などもあったが綾子は蕎麦好きなので迷わず蕎麦の店を選ぶ。
一人で外食するのはかなり久しぶりだ。東京で病院通いをしていた時にカフェに立ち寄って以来だった。
店に入ると席は半分ほど埋まっていた。少し緊張気味に入店した綾子は角の目立たない席へ案内されたのでホッとする。
席に着くと綾子は一番シンプルな『もりそば』を頼んだ。
蕎麦が運ばれて来ると早速食べてみる。
(凄く美味しい)
この店の蕎麦は軽井沢産の蕎麦粉を使った手打ちそばだ。軽井沢は標高が高く霧が発生しやすいので葉から霧の水分を充分に取り込み香り高い蕎麦が出来る。
綾子はその濃い味を噛みしめながらゆっくりと蕎麦を堪能した。
食事を終えた綾子は車へ戻った。
フロントガラスから見える空は青く澄み渡っていた。まるで晴れやかな綾子の気持ちを映し出しているようだ。
短時間の外出ではあったが綾子は充分に楽しむ事が出来た。勇気を出して行動に移したらほんの少し自信のようなものが芽生えた気がする。
そして家に帰ってからもまだお楽しみは続く。ここで購入した新鮮野菜やスイーツがあるからだ。
綾子はちょっぴり頬を緩ませると車のエンジンをかけて家路についた。
その日仁は朝から執筆に勤しんでいた。午後から外出するのでそれまでにはもう少し進めておきたい。
キーボードの上で軽快に指を動かしていると ピコン とメールの着信音が鳴った。
【月夜のおしゃべり】からの通知だった。
(エンジェルか?)
仁は咄嗟に思った。しかし今は平日の午前中だ。そんな訳ないかと思いつつ【月夜のおしゃべり】にログインしてみる。するとメールが一通届いていた。
メールは『エンジェル』からではなくドリンクコンビの『ここあ』からだった。
仁は『ここあ』の名前を見てがっかりする自分に気付く。
「メールのやり取りをするなら本の話が出来る『エンジェル』の方が良かったなー」
仁は無意識に呟いてからとりあえず『ここあ』からのメールを開く。そして開きながら思った。
(『ここあ』は働いているのになんでこんな時間にメールをよこすんだ?)
確か『ここあ』は丸の内の商社で役員秘書をしている女だったはずだ。
【こんにちは! Godさんは出版関係のお仕事をされているのですか? という事はクリエイティブ系ですよね? なんかカッコイイです。さてさてご質問に関するお答えですが、読書は主に自己啓発系の本です。小説は読みません。架空の設定よりもリアリティを好みます。読書は自分を磨く道具の一つだと思っていますので。そしてドラマに関してですが私は脚本家の松崎隼人さんのドラマが好きです。彼の描く世界はいつもオシャレで意識高いですよねー、あの完璧な世界が私の理想です。では私からも質問をさせて下さい。Godさんはフリーランスとの事ですが年収はどのくらいあるのでしょうか? 私はメールフレンドであってもそれ相応の生活レベルの方としかお付き合いしたくない派なんです。なのでぶしつけで申し訳ないのですがご回答をよろしくお願いします】
「…………」
仁は絶句した後フーッとため息をつく。どうやらこの女は相当な勘違い女のようだ。
(ハッ? 架空の設定よりもリアリティを好みます? ハァッ? それ相応の生活レベルの人としか付き合いたくない? ケッ、ここはメールフレンドを作るサイトだよなぁ? メール交換に年収が必要か?)
仁は呆れ果ててつい毒を吐いた。
『ここあ』のメールに気分を害した仁は返事を送るのをやめようかとも思ったが、最後にもう一度だけ返信する事にした。
【質問に関してですがこのサイトは純粋にメル友を探す場所だと思っていたので正直そんな質問が来て驚きました。私はそういった条件云々を抜きにただ気軽に話せる相手が欲しかっただけなので『ここあ』さんのご希望には添えないかなぁ。短い間でしたがお付き合いいただき心から感謝です】
(オトナの男としてマナーはちゃんとしないとな。それにしても松崎隼人のドラマが好きとか悪趣味だなー)
仁が苦笑いをしていると再びパソコンが ピコン と鳴った。
また【月夜のおしゃべりに】メールが届いたようだ。
(今度は誰だ?)
仁がメールを見るとまた『ここあ』からだった。
【年収を聞くのも会話のうちだと思いますが何がいけないのですか?】
そのメールの文体からは『ここあ』がかなりお怒りな様子がわかる。
(プライドが高い女王様の鼻をへし折っちまったか?)
するとまた ピコン と知らせが届く。今度はメールを見なくても『ここあ』からだと想像がついた。
【自分からメールを送っておいて一方的に終わらせるって失礼じゃありませんか?】
仁からメールをやめようと言ったのが相当腹立たしかったのだろう。『ここあ』は相当お怒りのようだ。
(プライドがエベレスト並みかぁ? 面倒くせえなぁー)
仁は無視しようかとも思ったがそこでふと考え直す。
(もし『ここあ』がサイトの運営に俺の事を通報したらえらい事になりそうだ。そうなったら俺はサイトに出入り禁止になりドラマ作りの為の調査が出来なくなってしまう)
そこで仁はいい案を思いついた。そして早速『ここあ』にメールを送った。
【気分を害されたなら大変申し訳ありませんでした。では正直に申します。今私の年収は250万円です。お恥ずかしい限りですが独立してまだ間もないのでこんな感じかと。しかしこれからはもう少し増える予定です。こんな年収でも私とのお喋りにお付き合いいただけますか?】
仁は頭の中でざっと計算して 月20万×12ヶ月=240万 そこへ10万上乗せして年収250万とした。
仁はわざと低年収だと嘘をついたのだ。
高年収と嘘をつく会員はいても低年収と嘘をつくのはおそらく仁くらいではなかろうか?
(果たしてどんな反応が来るかなー?)
仁はニヤッと笑う。しかしその後待てど暮らせどメールは来ない。メールをやめるにしても役員秘書をやっているような女だ。最低限の常識は持っているはずだから一言くらい断りのメールが来るだろう。
そう思っていた仁の予想は見事に裏切られた。
あまりにも返事が来ない事に違和感を持った仁はもう一度『ここあ』のプロフィールをクリックしてみた。
すると、
【☢あなたはブロックされています☢】
という表示が出た。
(マジか! 俺に散々文句を言っておいてよー、そっちの方が酷い対応じゃねーか)
仁は鼻息を荒くすると『ここあ』をお気に入りリストから即削除した。
「あー、せっかく筆が乗ってたのに邪魔されて終わったなー」
仁はがっかりした様子で呟くと椅子から立ち上がりコーヒーを淹れにキッチンへ向かった。
しかし途中立ち止まりもう一度呟く。
「いや、これはドラマに使えるな」
仁はニヤッと笑うと再び歩き出した。