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私は恋人を失った。
イケメンとまでは言わないけれど、
とても優しくて世界で一番好きだった。
なのに…それなのに…
それは、不慮の事故だった。
2台の大型トラックが衝突して
歩道へ勢い良く突っ込んだ。
3人が死亡。2人が重症の大怪我を負う。
神様。なんで私の彼氏なんだ。
世界に80億人もいる中で なんで私の彼氏が
死なないといけなかったんだ。
せめて…私だったら…
何度も何度も後悔して、泣き叫んで。
泣き疲れた時、
ポツンと佇んだ神社へ吸い込まれるように
足が向いた。手を合わせて願う。
やり直したい…やり直したい…!
やり直したい!!
目を開けると、変わらない景色。
無 気力にスマホを開く。
事故の一週間前だった。夢だと思った。
頬をグッとつねる。痛みがある。
思い切り拍手をする。
パンッ!と音が鳴る。嗚呼、現実だ。
神様が私を嘲笑っているような気がした。
事故当日、私は彼を引き止めた。
今日は休もう。
無理だよ。大事なプレゼンがあるから。
彼は止められなかった。
また時間が巻き戻る。
次は能力の事を彼に伝えてみた。
ドン引きされて別れられてしまった。
俺とと離れてもっといい人を見つけてね。
後、精神科に行った方が君のためになる。
そう言われた。事故も止められなかった。
次に、トラックがぶつかる前に
道路に飛び出た。
トラックは全くスピードを落とさずに
そのまま体を押し潰された。
そして、歩道に突っ込むという事実は
変わらなかった。
次、彼を限界まで束縛してみた。
生き残った。だけど別れてしまった。
それで良いはず、生きていれば良いんだ。
彼の幸せが私の幸せなんだ。
そう言い聞かせて耐えた、はずだった。
…嫌だ。
私以外とイチャつく彼を見たくなかった。
我ながらメンヘラだな。
次、ダメだった。
次、無理だった。
次、可能性が0に等しかった。
次、絶対ありえなかった。
次、期待したのが悪かった。
次、私には無理だ。
次、またダメだった。
次、諦めたくなった。だけど
次、頑張った。でも無理。
次、現実は非情だな。
次、次、次、次、次、次、次、次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次次
…あれぇ?何回ループしたっけぇ?
神様。もう疲れちゃったよ。ずっと一人で
変わらない運命を繰り返してさ。
頑張ったよ?なのに神様は
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も………
君は、この本のストーリーを、
書き換えるかい?
この子の恋人は助けられないよ。
ずっと、ずっと。
でも、どうしても君がハッピーエンドを、
望んでいるならば…
はっとした。今、何かに呑まれていた。
全く!恋とは恐ろしいな!
止めようとしても涙がポロポロと溢れる。
でも、口角を上げて。
彼が一番好きだと言ってくれた
この不細工な全力の笑顔で
鳥居を駆け抜けて、叫んだ。
「私は!前を向いて!生きて行くっ!
たとえ彼が遠い場所にいたとしても!
この大事な思い出は!
性格の悪い神様なんかにっ!
奪わせるもんかぁ!!」
目が覚めた。頭の中に霧がかかる。
何も思い出せないけど、現実から、
現実に目覚めた。そんな気がした。
五月蝿い目覚まし時計を睨む。
3時42分。
悪い夢を見ていた気がする。いや、
やっぱりいい夢だったかもしれないな。