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父と外で外食することになった。

しかし町はすでに崩壊しており、ビルは崩れ落ち建物の窓は全て穴が空いていた。今にも崩れそうな建物がいくつもあり、恐怖で周りを見渡してしまう。

父はそんなことも気にせずに長い足で歩いていた。手はつなげないほど背が高いのでしないが、辺り一面にいる人間たちはボソボソと何かを呟いていた。一人で笑っている人もいる。

「おや、楽しそうなブランコだな」

公園を見つけると、大人なのにはしゃいでブランコに立って乗り漕ぎ始めた。悟に話しかけてくる。

「なあ、こいでくれないか。そっちの方が楽しい気がするぜ」

「わかった」

彼はこくりと頷き、父が乗っているブランコを揺らす。彼は子供のように無邪気にはしゃぎ、とても可愛らしく思えてしまう。男に使うのはちょっと変だけど。


ブランコを楽しみ終わるとそこから降りて、公園から出ようとする。すると三人の男たちに入り口を塞がれてしまった。父は帽子をとってお辞儀する。

「また会いましたね。葛城さんと冨岡さんと春日さん」

そこにいた男たちをよく見ると、変な形をしていた。

葛城は足と手が複数あり、顔のパーツも二倍に増えていた。富岡は足が無くなり、ナメクジのようなヌメヌメした体になっている。春日は目が赤く、鋭い牙が生えていた。顔も色白だ。

化け物三人が現れたのはなぜだろうか。父と関係がある人なのかもしれない。

「下がっていなさい」

父は息子の悟のために、戦いへと挑む。悟はあまり戦っている様子を見たくなくて、目を瞑り手で顔をを覆う。痛々しい音だけが聞こえてくる。

目を開けて顔の覆いを外すと、父が三人とも倒していた。地面と服は血まみれで、彼は笑っている。

「この三人は俺を殺し屋として雇おうとしたクズたちだ。断ったのに、しぶとく来やがって」

どうやら殺し屋にならないかと誘われたらしく、そいつらが気に食わないので倒した。父親のまっすぐした性格のせいだ。

彼は何事もないようにニコニコと微笑む。

「よし、悟。飯を食べに行こう」

「そうだね。それで結局殺し屋にならないの?」

「なるわけないだろ?モンスターを殺める仕事だ。そんなこと絶対にしたくない」

「はは。父さんらしいや」

そんな会話をしつつ、崩壊気味の街を歩き一つの店の前につく。「風神亭」だ。有名なラーメン屋であり、街が崩壊してもこの店だけはやっていた。

中に入ると、しーんと静まり返っていてそこにいる人たちは皆無言を貫いていた。夢中でラーメンをすする。

父は疑心暗鬼になったが、そのまま促す。

「どうなってるんだ?まあ、いいや。食べようか」

「そうだね」

椅子に座って店長が作ったラーメンを出されると、真っ黒いスープのラーメンだった。いつもは普通のラーメンで、黄色くて鶏がらスープを使っているのだが、なぜこんなに真っ黒なんだ?

そう疑問に思っていたら父が食べ始めていた。ずるずる音を立てて、何も喋ることなくラーメンを夢中に啜る。

「父さん、美味しい?」

返事をすることなく夢中になって食事をしている。目はギラギラと光り輝いていた。おかしい。このラーメン食べないほうがいい、絶対。

悟は握り拳を使って、キッパリと断る。

「店長、残してもいいですか?」

「ダメに決まってるだろ。残したら殺すからな」

「はい」

殺されたくなくて一口震える手で食べると、病みつきになりそうなほど美味しかった。鶏がらスープがいつもより美味しく、真っ黒なイカ墨にちょっと合っている。食べる手が止まらなくなってしまう。やめたくても手が止まらない。どうすれば。

涙で目が滲んだ後、それから記憶を失ってしまう。そして目が黄色く光り、悟は無理やりラーメンを放り投げた。父のラーメンも取り上げて、彼の中に胡椒を入れる。すると何度もくしゃみをして、目が覚めていた。

どうやらこのラーメンは一度食べならやめられない隠し味が入っており、その隠し味を知ってしまうと病みつきになってしまう。

「はぁ……店長、なんてものを食わせるんだ。成敗しないとな」

カウンターに入り、鋭い爪で切り刻む。首を抉り、そして首の肉を口に入れた。パクパク食べると、病みつきになりそうだ。

父はその様子を見て呆れていた。

「そこまでしなくていいのに」

「いや。それくらいしなければ、また同じことをするはずだ」

「本当に君は俺の息子なのか?」

「いや、違う。体を借りているだけだ。マサファーと呼んでくれ」

「じゃあ、マサファー。なぜ悟の体を借りた?」

「たまたま俺を墓場で見てしまったからだ。そしてあいつに決めた。俺の目的は人間を観察することだ。醜い人間の争いを見るためにな」

「そうか。なら息子の体から出ていけ」

「それはできない。もう契約を結んだからね。悟が死なない限り、契約は破棄できない」

「何!?つまりは息子もモンスターになったというわけか。だが一緒に暮らすのはおしまいだ。お前は一人で生きろ」

「なぜだ?」

「俺や妻といれば、厄介な目に合うからな。学校の寮に住むといい。あそこは施設が充実している」

父がそう言うと、そのまま建物内から出てしまう。


父は殺し屋に追われている身である。男は20歳以上になると、身を守るために軍事協会へ入る。そこで銃の使い方を習う。

彼が銃の腕前を見せたら百発百中だったため、スカウトされそうになった。しかしモンスターを殺したくないので、却下する。追われている身だから、息子に迷惑はかけられない。

逆に母は危険なモンスターに分類されてしまった。なんでも食べるせいである。今現在は凶悪なモンスターを追放するハンターに狙われていて、彼らは血眼になって探している。見つかるのも時間の問題だ。

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