題名 ばいばい
張り詰めた空気の中、カレが口を開く。
「オレ、出ていくわ」
薄々勘づいてはいた。
最近帰りが遅くなっているし、休日は何処かへ行くことが多くなった。どーせ浮気なんでしょ。
「…え、やだよ」
勿論、貴方と別れたくない。
死んでも、一緒に居たいよ。
「ごめんな。ずっと一緒だったのに。」
私の声なんか知らんぷり。
そんな貴方が憎いけど、好きだった。
…でも、そんな毎日ももうおしまい?
貴方ともう会えない?
「…良い人に巡り会えるといいな。」
今更?私は貴方にこんなにもぞっこんなのに?
…もう、私のモノじゃない貴方なんて要らない。
死んでしまえ。
「じゃあ…ッ?!」
後ろを向いた貴方にハサミを刺した。
「ごほッ…」
痛いよね…、ごめんね?
でも、貴方が悪いんだから。
今まで、毎日一緒に居たのに。
貴方の疲れ果ててベットに寝転がる姿も、上司に怒られてメソメソ泣いてる姿も、見てきたのに。
“引越し”だなんて言葉言うんだから悪いんだよ。
「なんで…ハサミ…ッ?!」
驚いてるね。
…まぁ、当たり前か。
私の事、“見えてない”んだから♡
コメント
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にゃぁ?(この女の子君?)