テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
[K]あらすじ
世界中で視聴されている謎のユーチューバーがいる。
人々は、その存在を「ボス」と呼んでいる。
ボスは定期的に配信を行い、たった一言だけを残す。
「〇〇さんに[K]を持たせます」
その瞬間から、対象者の人生は少しずつ変わり始める。
家族の態度。
職場の空気。
友人との距離。
日常の些細な出来事。
何も起きていないはずなのに、周囲の視線だけが変わっていく。
誰も[K]の正体を知らない。
物なのか。
情報なのか。
ただの噂なのか。
それとも別の何かなのか。
誰にも分からない。
ただ一つだけ、世界中の人々が知っていることがある。
「[K]を持たされた人は、人生と信用を失う」
ということだった。
主人公・久世ミナトは、これまでK宣告の被害者たちを支え続けてきた「信用を守る活動家」。
人々が孤立しない仕組みを作り、人生が壊れない方法を探していた。
しかし、ある日。
ボスは世界中の視聴者の前で、主人公の名前を読み上げる。
「君の信用が、この世界でどこまで脆いか実験しよう」
ついに主人公自身がK宣告の対象となってしまう。
これは、ボスを倒す物語ではない。
犯人を探す物語でもない。
[K]を宣告された後、どう生きるかを描く物語である。
毎回、社長、教師、配達員、俳優、病院の院長、友人など、さまざまな人々がK宣告の対象となる。
主人公は、自分の人生を守りながら、同じ境遇の人々を救い続ける。
だが、調査を進めるうちに、主人公は恐ろしい真実にたどり着く。
ボスは黒幕ではなかった。
そして、ボスを捕まえても終わらない。
[K]という現象は、人々の「あの人は怪しいかもしれない」という小さな疑いから生まれ、世界中に広がり続けていたのだ。
やがて主人公は知る。
本当に恐ろしいのは、ボスではない。
誰もが、誰かのボスになれてしまう社会そのものだった。
これは、信用が壊れていく世界で、「疑うこと」と「信じること」の境界線を探し続ける、一人の人間の物語である。
コメント
1件
わあ、面白い設定ですね。いわゆる「風評被害」のメカニズムを、あえて謎の配信者「ボス」という象徴に落とし込んだ構造がすごくスマート。単なるミステリーやサスペンスに収まらず、「誰もが加害者になりうる社会そのもの」に焦点を当てているところが、個人的にツボです。第1話であらすじだけでも、すでに社会批評と人間ドラマの両軸が立ち上がっていて、世界観に引き込まれました。久世ミナトが自らK宣告されたあと、どんな選択をするのか——「犯人探し」ではなく「その後をどう生きるか」を描くという姿勢に、これから読むのが楽しみです。