(大和side)
どんな理由があろうと、雫のことは手放したくない。そう改めて自分の心の内を確認したのと同時に、ポケットのスマホが振動した。
画面には雫からのメッセージが表示されていて、俺は反射的にカウンター席から勢いよく立ち上がる。小次郎はびくりと肩を揺らした。
「帰る。コーヒーいくらだ」
「お代は結構です」
「悪い。今度何か奢る」
「もういいから、早く仲直りしてきなよ」
小次郎は呆れたような笑顔に後押しされ、早足で店から出る。路地を抜け大通りの人混みを掻き分け、パーキングまで辿り着くと車に飛び乗る。運転をする間も、雫から送られてきたメッセージのことで頭がいっぱいだった。
――――アパートに帰ってきたよ。昨日のこと、ちゃんと話したい。会いたい。
「クソ、信号長ぇんだよ……」
階段を駆け上がり、勢いのまま雫の部屋のインターホンを押す。玄関のドアが開き、出てきたパ***************************
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