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年上男子と腹ペコ女子

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年上男子と腹ペコ女子

89 - 89話 最後の一歩を踏み出すまで

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2023年08月24日

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(大和side)

どんな理由があろうと、雫のことは手放したくない。そう改めて自分の心の内を確認したのと同時に、ポケットのスマホが振動した。

画面には雫からのメッセージが表示されていて、俺は反射的にカウンター席から勢いよく立ち上がる。小次郎はびくりと肩を揺らした。

「帰る。コーヒーいくらだ」

「お代は結構です」

「悪い。今度何か奢る」

「もういいから、早く仲直りしてきなよ」

小次郎は呆れたような笑顔に後押しされ、早足で店から出る。路地を抜け大通りの人混みを掻き分け、パーキングまで辿り着くと車に飛び乗る。運転をする間も、雫から送られてきたメッセージのことで頭がいっぱいだった。

――――アパートに帰ってきたよ。昨日のこと、ちゃんと話したい。会いたい。

「クソ、信号長ぇんだよ……」


階段を駆け上がり、勢いのまま雫の部屋のインターホンを押す。玄関のドアが開き、出てきたパ************************

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