テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「……はあぁっ…………んっ」
色を滲ませた奏の吐息が、静けさに包まれている寝室に響き、怜は彼女の双丘を揉みしだきながら、背中に華を咲かせている。
ジュっと吸い上げる音が立ち上る度に、奏の身体がピクンと震え、怜の指先が膨らみの果実を軽く弾く度に、彼女は発情するように声を上げる。
背中には怜の唇で多くの証が刻み付けられ、既に幾つかの赤黒い華が開花している。
「奏……気持ちいいのか?」
怜に問いかけられ、奏はコクリと頷く。
「頷くだけじゃ分からないな。奏……気持ちいいか?」
怜は奏の唇から言葉を聞きたいようで、敢えて耳元で囁きながら、二つの果肉を指先で優しく捏ねた。
「きっ……気持ち……い……いっ…………んんっ……ああっ……っ…………あっ……」
喘ぎながら、奏は正面の全身鏡をチラリと見やると、怜が欲情を含ませた眼差しで奏を貫き、彼女は恍惚に歪んだ表情を映し出していた。
嫋(たお)やかな身体を支えている奏の脚は微かに震え、黒い瞳は濡れている。
背中を弓形に反らし、形のいい美乳を突き出すような状態で怜に愛撫されている奏は、心も身体もグズグズに溶け、初めて見る自分の痴態に身体の奥が疼くのを感じていた。
怜から施される愛撫。
それは奏にとって『淫らなお稽古事』。
彼に触れられる事で、過去の忌々しい出来事と、セックスに対する恐怖心を取り除いていく、大切なお稽古だ。
「もっと…………俺に触れられる事に……慣れないとな?」
怜は再びスラリと伸びた奏の脚を膝下から腕で掬い、抱きかかえてベッドへ向かう。
丁寧に横たわせ、彼女の上に覆い被さると、唇を奪いながら乳房を揉み上げた。
リップ音と、舌同士が絡み合う水音が交互に響き、奏の疼きは湧き上がり続ける。
「ううぅっ……んあぁっ」
怜の唇が次第に頬、首筋、胸元へと伝い、硬くなった果実へと辿り着く。
(本当なら……今すぐにでも奏を抱きたいが……)
怜の中に、オスとしての欲望が覗き込んだ。
彼の男の象徴は膨れ上がり、はち切れそうになっている。
まだスラックスを穿いたままだった事に気付いた怜は、身体を起こし、バックルに手をかけて荒々しく脱ぎ放った。
ダークネイビーのボクサーだけになった怜の姿に、奏は、美しい肉体を持つ人だな、と感じてしまう。
こんな人が、自分の肌に触れてくれるのかと思うと、奏の心がキュンと切ない痛みに覆われていった。
「奏……」
怜は横になりながら、丸みを帯びた柔肉にしゃぶりついた。
乳首を口に含みながら舌先で転がすと、奏の声が歓喜を滲ませている。
「ああっ…………れ……怜さ……んっ…………ううっ……」
揉みしだく度に形を卑猥に変化させていく、奏の瑞々しい乳房。
ひとしきり堪能した後、怜の唇が脇腹、腰回りへと辿っていく。
「っ……んっ……はぁっ……あぁっ」
艶を纏った息遣いに、怜は堪らず臍の横に赤黒い華を咲かせようと、肌を強く吸い上げた。
昨夜は胸までの愛撫に止(とど)まらせたが、怜は、更に先への愛撫を施していこうと考える。
彼女の両脚を膝で曲げ、開脚させようとすると、奏の脚が閉じようと力を入れた。
「奏。怖いか? それとも……嫌か? 正直に言ってくれて構わない」
奏の黒い瞳は揺れ動き、潤ませながら怜の眼差しに纏わりつく。
「怖い……けど……」
「けど?」
怜は奏に言葉を促そうと、わざと聞き返すと、彼女は頬を赤く染め上げながら辿々しく答えた。
「あなたに……もっと…………触れられたい……で……す……」
「分かった。もし嫌だったら……俺に言ってくれ」
彼女が頷くと、怜は両膝に手をかけ、ゆっくりと脚を開いていった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!