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深 side
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俺には好きな人が居る。
その人は頼りがいがあって、かっこよくて、でもたまにかわいいところもあって、優しくて…
でも、それと同時にその人は同じグループのメンバーで、出会って15年以上経つ親友で….
好きだから気持ちを伝えたい。
でも、好きだから気持ちを伝えられない。
気持ちを伝えたらこの関係が崩れてしまうかもしれない。いや、確実に崩れてしまう。
それがとても怖い。
だから、ずっとメンバーとして、親友として過ごしてきた。
バレてしまうのではないかという恐怖感と、もういっそこの気持ちを打ち明けてしまいたい、という気持ちを胸に残したまま過ごしてきた。
そして今俺は一人、個室の居酒屋にいる。
その好きな人に呑みに誘われたからだ。
相談に乗って欲しいとのこと。
相手は仕事が長引いたらしく、それを待っている。
深 「まだかなぁ~….」
待ちくたびれていると、扉が開く音がする。
岩 「ごめんっ、待った?」
そこには俺の好きな人が立っていた。
ようやく来たようだ。
深 「あ〜、やっときた」
「お詫びに一杯奢りね?わら」
岩 「うん、もちろん」
「ていうか、今日は奢る気だったし」
深 「え、なんで?」
岩 「だって、俺の相談聞いてもらうんだし、
当たり前でしょ?」
深 「…そっか。じゃあお言葉に甘えて!」
岩 「ふっかはもう頼んだ?」
深 「ううん!まだ」
岩 「じゃ、頼んじゃおうか」
「なに呑む?」
深 「じゃー、これ!」
なんて会話をしながら、俺の好きな人はタッチパネルで注文をしてくれる。
いつもそうだ。
俺と来る時、毎回そうしてくれる。
そういうところが好きだ。
お酒も進んできたところでようやく本題に入る。
岩 「んで、相談なんだけど….」
深 「ひかるが相談って珍しいね。」
「どうしたの?」
岩 「恋愛相談….なんだけど」
“恋愛相談”その言葉は俺の心を痛めるのに十分だった。
それでも俺は必死に声を絞り出す。
深 「れんあい….」
「へぇ~…好きな人、いたんだ」
岩 「…、うん。」
深 「っ….そっか」
岩 「応援してくれる、?」
深 「そりゃあ…もちろん!」
「だって親友だよ?幸せになってほしいじゃん!わら」
思ってもない言葉を流れるように口から出していく。
本当は聞きたくない。頼ってくれるのは嬉しいけど、そんな相談しないでほしい。
親友なんて思いたくないし、思って欲しくない。
俺以外と、幸せになってほしくない。
なんて俺の心の声なんて聞こえてるはずもなく、ひかるは「ありがとう」と返す。
岩 「でもその人、俺の事意識してなさそうなんだよね」
深 「連絡先は?交換してんの?」
岩 「してる。たまに連絡はしてくれてるよ」
「でも、最近は全部俺からなんだよね」
深 「ふ~ん…最近…」
「付き合い長いんだ…」
岩 「結構長い」
深 「そっか」
岩 「ご飯とかの誘いも全部俺から。」
「どう思う?」
深 「それは~….脈なしじゃない?」
「あと、ただ消極的な人とか」
岩 「俺的にはその人消極的な感じしないけどな…。」
「でも恋愛だとそうなのかも。その人が恋愛してるところ、ちゃんとは見たことないから。」
深 「きっとそんなんじゃない?」
岩 「でも、会った時とか全然目合わせてくれないし、なんか俺の事避けてる気がする。」
「やっぱり好きじゃないのかな…」
深 「そこまできたらそうなんじゃない?わら」
「それか、緊張しすぎてるだけとか!」
岩 「緊張….さっきも言ったけど、
付き合いは長いから 今更緊張とかないと思う。」
深 「そっか〜…..」
岩 「うん。友達としか思われてないとか?」
「ここまできたら嫌われてるのかな…」
本当は良くない。分かってる。分かってるけど….
深 「そこまで来たら嫌われてるんじゃん?」
岩 「やっぱそうかな…」
「ふっか的にはそう思う?」
深 「だって、連絡もないし、目も合わせてくれなくて、避けてるってもうそれじゃん」
岩 「そっか….」
深 「うんうん。」
岩 「今の話。全部ふっかの事なんだけど。」
深 「…ぇ、?」
全部…俺の事、?
やばい。結構酷いこと言っちゃった。
脈なしとか、嫌われてるとか。
全然そんなことないのに。好きなのに。
どうしよう。俺、絶対ひかるに嫌われた。
岩 「あ、やっと目合った」
「ふっか。俺の事嫌いなの?」
深 「えっ…ちがっ….」
すき。すきなのに。
ひかるは俺の隣に座る。
岩 「連絡はしないし、目も合わせてくれない。」
「あと、俺と2人で居る事も避けてる。」
「今日は相談って言ったから優しさで来てくれたのかもだけど。」
深 「ちがっ….ちがうの」
岩 「違うって、なにが?」
深 「ぁ….えっと」
すきって言いたい。
でも、言ったら本当に嫌われちゃう….
岩 「言えないんだ。」
深 「だからっ、…ほんとに、ちがくて…」
俺は焦りと嫌われたくないという悲しさから、涙を流してしまった。
泣いたって迷惑なだけなのに。
岩 「っ、?!…ふっか?どうしたの?!」
深 「ほんとにっ、…ちがく、て”..」
「ひかるのこ”と…、すきなのっ」
岩 「ごめん、泣かせるつもりはなかった、!」
ひかるはハンカチで俺の涙を拭いてくれる。
すきだなぁ…そういうとこ。
深 「…っ、すきっ….、ひかる、すきだよ」
岩 「…ぇ、ほんとに、?」
深 「うんっ…、でもめいわくって…わかってるからっ…、」
岩 「そんなことない。」
「俺もふっかがすき」
ひかるはそう言いながら俺を抱きしめた。
暖かい。とても安心感がある。
岩 「言ったじゃん、最初に恋愛相談って」
「それで、ふっかのことって」
深 「ぁ….たしかに」
岩 「ふっかなら気づいてくれるかと思ったんだけど、泣かせちゃってごめんね」
深 「俺が勝手に泣いただけだから….」
「それより今、すごいうれしい」
岩 「俺も、すごいうれしい」
少し沈黙が流れた後、俺とひかるは少し離れて目を合わせる。
岩 「…ふっか、俺と付き合ってくれませんか?」
深 「んふっ、もちろん」
俺の返事を聞いたひかるは嬉しそうに笑う。
きっと俺もニヤケてしまっているだろう。
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