テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
叶璃に話しかけられた後、俺は玄関へと急ぎ、さっと自分のクラスを確認して駆け足で教室へとむかった。教室に入るともうすでに多くのクラスメイトが友達を作って話していた。取り残された俺… それにさっきの俺と叶璃の会話はもう結構広がっていたらしい。「あの子って…」「きっとそうだよ。さっきの…」(ざわざわ…)
俺を見てこそこそ話すクラスメイトに段々といらついてきたが、ここは我慢だ。これ以上出しゃばって有名になりたくないからな。
それから席に座って時間まで待っていたが、俺にまたまた不幸なことが舞い降りた…。
「…待って、あの人って叶璃様よね?!?!」
「そうだよ!!同じクラスなんて…!今年一番の大当たりだよ!」
「運つかいきったかも…神降臨してる…(死)」
目を瞑っていた俺もハッと扉の方をみた。すると…
そこには叶璃が居た。‥やべえ終わった。今までありがとう(泣)
さっきの一連もあり、俺は詰んだ。色々と。もうこれから憂鬱な日々だ… 華々しい俺の学園生活がとおざかっていくううううううううう!
ァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!
クラスの女子達はみんな叶璃に吸い寄せられていった。(有名すぎんだろ…)
俺は強く顔面を机に叩きつけた。まさかおんなじクラスだったなんて…!最悪だ。
そうして顔を隠して頭を悩ませていると、1人の女子に話しかけられたた。明るくて懐かしい…聞き馴染みのある声だった。
「ねぇ、裕翔だよね!」
顔を少しだけあげて見ていると、そこには俺の幼馴染、『針雨莉愛はりさめりあ』が居た。
俺は久しぶりの再開で嬉しくなり、手を思い切り机につけて立ち上がった。
「莉愛じゃねえか。お前もこの学園に入学してたのか!久しぶりだな!!」
莉愛はコミュ力お化けで、超強い能力をもっていて…無能力者の俺のことを守ってくれたとても優しい奴。能力も誰もが羨ましがる、汎用性の高く戦闘にも強い能力! だが俺は莉愛にやばいやつだと思われているんだが?なんでだろうな。そんなにやばいか?俺。
「…てか、さっきのやつ見てたよ。あの叶璃?ってやつとの会話!やばいね…」
「学園生活終わったな。」
「まぁ、あの一連はもう有名になってるしね。
SNSでもう超有名になっているよ!動画は一億再生のトレンド入り。叶璃のファンには叩かれまくり。凄いね有名人だよ」
「けど大丈夫よ。裕翔は昔みたいに私が守るから。」
「ッ//// ありがとな〜莉愛〜 ヨシヨシ」
莉愛は「頭なでんな!ぶっ飛ばすぞ」と怒鳴ってきた…いつから反抗期なんだ?
莉愛は俺的には妹的な存在だ。守られてばっかりだけど。てか顔面偏差値神っててめちゃ可愛い。多才なのも羨ましい。
「もう!…あ!てかもうすぐ入学式が始まるから一緒に体育館向かお!」
「そうだな!」
叶璃を囲んでいる女子達をするすると通り抜けていき、莉愛といっしょに体育館に向かう。廊下での何気ない会話が凄く居心地よく安心する。
「どうして裕翔はこの学園に入ろうと思ったわけ?無能力者なのに…大変だとおもわなかったわけ?」
「確かに無能力者だけれども…俺を散々馬鹿にしてきた奴を後悔させてやりたい…で俺が新時代の最強になる!!そのための第一歩ってわけで入学したんだ。 それと家が近かったからだ…」
「家近が本当の理由だろ!バレバレなんだよ!でも私がいるから大丈夫!裕翔をまもれるし… 感謝しろ〜!」
「ありがとうございます!莉愛様〜!」
そうして話しながら歩いていると、後ろからものすご〜い走る音と共にどーんと背中を押されて声が掛かった。
「うわっ!!………いててて」
俺は勢いよく床に倒れ込んだ。ちょっと膝をぶつけて痛いかも。
誰だよと思いつつ振り返ると、またもや奇跡的な再開をする。
「譜凛夏…?譜凛夏か!?久しぶりだな!!」
「やぁやぁ!裕翔くんに莉愛ちゃん!」
「……あ!!!!譜凛夏じゃ〜ん!久しぶり!元気してた?」
「当たり前だよ!莉愛ちゃん!私はいつでも元気よ!裕翔くんはもう終わったっていう感じしているけどね!w」
「譜凛夏ももう知ってるんだな…もう初日から最高の出会いと最悪の事態の連続でやばいぜ…」
こいつは『練灯譜凜夏』(れんとうふりな)。譜凛夏も莉愛と同じ幼馴染だ。こいつもコミュ力お化けで超強い能力者。あとサボり魔。しかも能力の実態を幼馴染の俺達ですら知らない未知の能力なんだ。なに考えてるかもわからん! で!でだ…莉愛と同じで顔面偏差値が神ってる。ずりいよな。
「譜凛夏様〜。俺どうすればいい?叶璃に喧嘩売っちまった。」
「う〜ん。諦めろ!って言うしかしないよねぇ。あの発言は天下の譜凛夏たんでも尊敬するわ… あとは大人しく過ごす!以上!!」
「譜凛夏…(涙目)」
「大丈夫だ!裕翔くん!君にはまだ希望はある!多分!」
はぁ。とため息をつく。今度は莉愛に変な笑みを浮かべられながら「裕翔く〜ん。大丈夫でちゅよ〜。」とよしよしされてちょっと怒ったりもした。まだ根に持ってるとはな。
「とりあえず、裕翔くんに莉愛ちゃん!体育館に向かうぞー!!!レッツゴー!!」
おーと言う声を出し、体育館に向かった俺たちだった。