こんにちは、けるもです。
本編どーぞ!
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音がなかった。
聞こえなかったんじゃない。
世界から音が消えたのだ。
手を叩いて笑っていたり、うるさい缶のペンケースを落としていたり。
なにがどうなっているかわからない。
聞こえるはずの音が聞こえない異空間のようだ。
「星夏。」
ふいに、後ろから名前を呼ばれた。
「えっ」
聞こえないはずなのに声が聞こえた。
振り向くと、そこにいたのはおばあちゃんだった。
あ、夢か。
おばあちゃんはもうとっくに亡くなった。
いるわけがない。
けど、この異空間だ。
なにがあるか分からない。
「星夏。」
優しいおばあちゃんの声がもう一度私の名前を呼んだ。
「お、おばあ、ちゃん、?」
おばあちゃんっ子だった私は、おばあちゃんが亡くなってからその言葉をあまりしなくなった。
久しぶりにおばあちゃん、と言った。
「星夏。」
またおばあちゃんは名前を呼ぶ。
そして、続けた。
「今は、平和だよ。」
「え?」
聞いたことのある言葉だった。
私がまだ小さかった頃、おばあちゃんが口癖のように言っていた言葉だ。
その頃はまだ、その言葉について、理解もしていなかったし、おばあちゃんも教えてくれなかった。
特になんとも思わなかったその言葉が、どうと言う理由もないわけだが、急に知りたくなった。
特に深い意味はなかった。
「おばあちゃん、それについて教えて。」
おばあちゃんはまた、ニコ、と微笑むと言った。
「そうだね」
私のもう一つの“夏休み”は
ここから始まる。
コメント
6件
えっ何何めっちゃ気になるんだけど
おばあちゃぁぁあぁん😭😭