『花』
今日、俺は突然引っ越すことになった。
彼女もできたばかりなのに。
簡単には戻って来れない距離だ。
俺はみんなに別れを告げた。
しかし彼女の姿が見えなかった。
そして出発する時間になった。
みんなが俺の家に集まってくれた。
もしかしたら、みんなと会えるのは最後かもしれない。
車に乗ろうとしたその時だった。
俺を呼ぶ声が聞こえた。
後ろを振り向くと彼女がいた。
彼女は涙を流しながら、こちらを見ている。
すると彼女が花をくれた。
「遠くに行っても…電話しようね…私はあなたの彼女なんだから…絶対に会いに行くね…」
その言葉に俺も涙を流した。
彼女がくれた花。 センニチコウ。