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歌舞伎町のバー、名前はそう…けっちゃん。
店長の名は分からない。だが店の名前がけっちゃんなので健太である。
ここにはいつも妙な客が酔ってくる。だがバーなので当たり前か。
今日の客はあるカップルである。
年は二十代後半。話を聞く限り結婚はしていない。
「ちょっとアンタなんでいつも…も女連れてってんの…よ!」
女は酔っているせいか少し躓きながら話す。
背は小さめだが髪は長かった。
「俺だって女にイチャコラされたきゃねーよ!!」
こちらの男は声がガラガラででかい。
背は平均くらいで角刈りであった。
そのうち話していると女が男を引っ叩いた。
「あんたなんか婿にしねえんだから!!」
最後にボケェ!と言った気がしたが言ってない気もした。
「お前を嫁にする男なんかこの店にも居ねえよ!!」
なるほどいない。少なくとも私はしたくない。
「いるわよねえ!?店長さん!?」
なぜ私に振るのか。私は苦笑いをし、首を横に振った。
店内が静まり返った。