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るしゅ
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#推理
橘靖竜
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【使用人の証言】
それは、教会を出たあとのことだった。
神父は、少し休むと言って奥へ引いた。
私とホームズは、外に出る。
———
石畳の道を歩く。
視線はある。
だが、誰も近づいてこない。
———
「様子を見る必要があるな」
ホームズが言う。
———
「どこを」
———
「内側だ」
———
それだけだった。
———
案内された家は、村の中央にあった。
他の家と同じように見える。
違いは、見つからない。
———
扉を開けると、女が一人いた。
使用人だという。
年齢は分からない。
声は低く、落ち着いている。
———
「奥様はいらっしゃるか」
私が尋ねる。
———
「お休みになっております」
———
それだけだった。
———
「体調が悪いのか」
———
「いいえ」
———
即答だった。
———
私は言葉を選ぶ。
———
「最近、何か変わったことは」
———
女は少し考える。
———
「変わったことは、ございません」
———
それから、
わずかに間があった。
———
「ただ」
———
声が少しだけ落ちる。
———
「夜に外へ出られることがございます」
———
「どこへ」
———
「川の方へ」
———
沈黙。
———
「一人でか」
———
女は、こちらを見る。
それから、視線を落とす。
———
「はい」
———
「止めないのか」
———
「止めることではございません」
———
理由は言わない。
———
ホームズが口を開く。
———
「ご主人は?」
———
「お部屋にいらっしゃいます」
———
「今もか」
———
「はい」
———
「確かか」
———
女は、わずかに迷う。
———
「……はい」
———
そのとき、遠くで音がした。
水の音だ。
———
家の中でも、はっきりと聞こえる。
———
女は、その方向を見ない。
———
「この家は、よく音が入る」
ホームズが言う。
———
女は答えない。
———
「昔からか」
———
わずかな間。
———
「はい」
———
それだけだった。
———
外に出る。
空気は変わらない。
———
だが、
何かが、動いているように思えた。
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