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この物語はフィクションです。

実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません

 オレは自分のとは色の違うスマートフォンを握りしめて、夜に沈むアパートの方を見つめていた。

 馴れない革靴で歩き回ったせいか、足の裏がしびれるように痛い。

 一刻も早く家に帰りたいと身体は言っているが、今日はこの場所を動けそうになかった。

「通報されっかな。だとしたら 裕紀(ゆうき)が無茶苦茶文句を言いそうだけど」

 先日東京へ出てきたばかりの弟(裕紀)とは、喧嘩の絶えない同居生活を送っている。

 それでも、一時は死をも覚悟したあの不安定な状況から、良く立ち直ってくれたとおもう。

 今では実家を継ぐために農業の勉強をするという名目で、東京の大学に通うようになったのだから、自分の一年を捧げたことに悔いはない。

「まあ、さんざん俺に迷惑をかけたんだ。捕まったら身********

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