今はご飯も食べ終わり、私は ご飯を食べていたイスから動かずぐで〜と座っていた。
ヤエは食べ終わった食器を洗い、
ソメイは、少し離れに出掛けてしまい
シダレは、何故か私の横のイスに来てじっっと私を見つめていた。
なぜ私をじっと見つめているのか、理由も分からない。なぜなら
何かを発する訳でも無ければ、触る訳でも無い。本当にただじっと見つめてくるだけ。
出来る事なら今すぐ
「この辺り案内してもらえる約束してるから!」と逃げたい。
でも「この辺りを案内して上げる」と言っていたソメイはどこかに行ってしまうし…
ただ、ヤエが食器を洗ってる音と私たちをなぞって行く風が気まづい……。
もういっそ聞いてしまった方が楽な気がして
勇気を出して聞いてみる
「あ、の……なん、で…そんな、み、見て…くる?」
すると少し驚いた様な顔をしてでも、すぐにからかう様な面白がる様な笑顔になって
帰ってきた返事は呆気ない物だった。
「えぇ?なんとなく?」
「なんとなくって…」と思いながら眉毛を八の字にして苦笑いをしてしまう。
すると私の後ろからいつの間に洗い終わったのかヤエが顔を出した。
「あれっ?まだ2人とも行って無かったの?」
どう言う事だろう?と首を傾げる私と
忘れてた!とでも言いたげな顔をしたシダレの様子を見て察した様にヤエが
「もぉ!なにやってんだよっ!」
と可愛らしくほっぺを膨らまし怒っていた。
シダレが「わりぃ…わりぃ…」と苦笑いした後、私に顔を向き合わせて言った
「今日はソメイ忙しいの忘れて、サクラと約束した見たいでな…
今日の案内は俺がやるっ!」
と右手をグーにして胸にぽんと当てる
するとヤエがすかさず
「シダレってこんなだけど、いい子だし頼れる時は頼れるから安心してね…」
と私に耳打ちした
「おい、丸聞こえだぞ」
でも耳打ちの意味など無いくらいに丸聞こえだったようで、軽くヤエを睨む。
でも当の本人はあまり気にしていないようで…きっと日常茶飯事なんだろう。
「コホン……それじゃあ!サクラ!行くぞ!」
とわざとらしい咳払いをして立ち上がり、私に手を差し伸べた。
私もそれに合わせて立ち上がり手を取った。
やっぱり、シダレもヤエも私と身長があまり変わらない。
そんな事を思いながらゆっくりと歩きだし、後ろでヤエが
「夕方には帰ってきてね〜!」
と大きく手を振ってくれた。振り返りそれを見ていた私が少しだけ手を振り返すと、嬉しかったのか先程よりも大きくぶんぶんと手を振った。
コメント
7件
微笑ましい…ヤエのお母さん感が好き
めっちゃ楽しそうな日常で笑顔
想像がどんどんと広がっていく