テラーノベル
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「 燃え残りの感情 。 」
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朝だった。
静かな時間。
何も起きていないはずなのに、
どこか落ち着かない。
レムは窓の外を見ている
レイアはそれを少し気にしていた
レンは何も言わない
俺は、ただ座っている
「……行くぞ」
短く言う
理由はない
だが、嫌な感じがした
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外に出た瞬間だった
? 『うるせェんだよ!!!!』
空気が裂ける
『……なに今の』
レイアの声が低くなる
「……近いな」
俺は歩き出す
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崩れた建物の奥
そこに“それ”はいた
歪者が、地面に叩きつけられている
その上に
人間がいた
? 『消えろつってんだろ!!!』
拳が振り下ろされる
弟が鈍く響く
歪者はもう動いていない
それでも、
止まらない。
? 『出てくんな!!頭から離れろ!!!』
何もない空間をただひたすら殴る
…こんな光景は、初めて見る。
[……]
レムの呼吸が僅かに乱れる
『…あれ、人間?』
レイアが呟く
レンは黙って見ている
「…ああ、そうだろう。」
俺は言う
その時、男が振り返る
? 『…なんだ、お前ら』
荒い声
息も荒い。
? 『見てんじゃねェよ』
『いやいや、そっちがうるさいんだけど』
レイアが返す
? 『は?知らねェよ 』
そのまま一歩近づく
空気が張り詰める
? 『…まだ、いるだろ』
『は?』
? 『見えてんだよ』
男の拳が震えてるのが分かる
? 『……ずっとだ、ずっと。』
一瞬の沈黙
? 『…消えねェやつが。』
空気が変わる
レムが小さく声を出す
[……うるさい]
全員がレムを見る
[……でも、わかる]
? 『…あ?』
男の視線がレムへ行く
? 『お前もか』
その一言で、空気が更に歪む
(……四喪 の影か。 )
俺は目を細める
まだ、確定じゃない。
だが
近い。
「…終わりだ」
俺は一歩前に出る
男が反応する
? 『は?勝手に決めんな』
そのまま殴りかかって来る
速い
荒い
でも、一直線。
…あの人よりかは、弱い。
俺は男の腕を掴んで止める
「……もういい」
? 『離せ!!!』
力が強い
だが、 “ 壊れている ” 。
? 『…うるせェんだよ……』
その声は、さっきより小さい
男は崩れて、そのまま膝をつく
? 『…消えねェ……』
「…分かってる。」
俺は言う
男が顔を上げるタイミングで、俺は男の目の前に座る
? 『……は?』
「消えない奴は、いる。」
沈黙
「……だから、来い。」
? 『…は?』
「……ここよりは、静かだ」
少しの間
男は目を逸らす
そして
? 『…お前ら、うるさくねェな。』
それだけだった
「…お前、名前は」
? 『…あー……』
コイツは多分、人間だ
名前はあったやつの方がいいだろう。
? 『…俺の名前は』
イ 『 イグア だ。』
「…ああ」
その日、もう一つ “ 感情 ” が加わった。
それは
消えないものだった
そして同時に
“消えない何か” が、この世界にいる事が
初めて、 カタチ になった。
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来世はくらげ
#ダークファンタジー