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イスタング村から歩いて一時間ほどの駅
”バロン・ファビリー駅”
異能師三人は次の列車を待っていた
『スゲェ……!あれ国家異能師じゃん!』
『なんでこんな田舎町にいんだ…?』
『仕事だろ仕事ぉ……』
国家異能師を見てざわつく人々
そんな中、ハンスは上機嫌に周りを見渡し
ベンチにドスンと腰を下ろす
『いや〜……!人気者はジロジロ見られて困っちゃうな〜!なぁ?ロス』
気分上々なハンスを横目に、
ロスは呆れながらも笑ってしまう
『全く、なぁに呑気な事を……』
ギィィィ────……!!
『バロン・ファビリー駅!バロン・ファビリー駅ィ!サウサント行きにございます!』
車掌の声が駅構内に響き渡ると
ロスは鞄を持ってベンチから立ち上がる
『……行くぞ』
第10話【情報】
『私、窓側がいいです』
『じゃあオレ、ラスクの隣〜〜』
ハンスとラスクは隣同士の席に座り
その目の前の対面席にロスは腰を下ろす
『どこまで仲良しなんだかな……』
列車が出発して、
数分が経過した頃────
ハンスはショルダーバッグを開き、
持って来ていたトランプを机に置く
『んで…ホントーにあんのか?サウサントとかいう街に蛇顎旅団の情報が』
窓の外で流れゆく景色を眺めながら
ロスは煙草を咥えて言う
『ルイ中佐はそう言っていたが…あの人、お調子者だから適当喋ってる可能性も……』
『ほぉう……お調子もんで悪かったねェ』
『んんッ──!?』
その声にロスは慌てて煙草をしまい
席から立ち上がって敬礼する
『こ、こちらはルイ中佐!無礼を働きました事を謝罪致しますッ!』
ハンスとラスクもふと通路を見る
そこに立っていたのは
艶やかな白髪を靡かせた長髪で長身の男
”ルイ・カントニオ”
国家異能師で中佐を務める強者である
『若き逸材の様子を見に来たはいいがー……まさか、上司の愚痴とはな?タンカーくん』
(な、なんでこんな所に中佐がいるっ……!?いつもは司令部にいるハズだろっ……!)
それでもロスはピシッとした敬礼を崩さず
ルイの長い長い嫌味を聞き続ける
『「なんでここにいるんだっ!?」…なんて顔するんじゃないよ……伝言だよ、伝言』
『えっ……わざわざ伝言のために?』
敬礼をしたハンスがそう聞くと、
ルイは胸ポケットから小さな紙切れを差し出す
その紙切れに書かれていたのは───
『額に紅き蛇の紋章を刻んだ子供が昨夜、サウサントの噴水前に現れた』
『───ッ!?』
三人は驚愕する中、
ラスクは敬礼をしながらルイに聞く
『で、でも…紅き紋章なんて聞いた事がないですっ……!黒い紋章しか───!』
ルイは紙切れを机に置いて
手をヒラヒラと振った去り際に言う
『恐らく、下級・中級・上級……全てを操る魔の手ってヤツだろう』
別車両に行く前に、ルイはふと振り返り
『ヘマはするな……中佐の絶対命令だ』
バタンッ────
ルイが別車両に行きしばらくして、
三人は気が抜けたように席に座り込む
『ルイ中佐……今回はどうも本気らしいな』
ハンスはそう言いながら紙切れを持ち、
その文字を何度も何度も読み続ける
(紅き紋章………か)
サウサント到着まで
残り五分────
コメント
1件
うわっ、第10話のこの展開……! ルイ中佐がいきなり現れて伝言って、マジでヒヤッとしたよ。さっきまであんなに呑気だったのに、空気一変したね。紅き紋章なんて聞いたことないし、まさか上級も操る敵が出てくるのか……。サウサントに着くまであと五分って、もう息つく暇もないな。続きが気になって仕方ないよ!