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#ヤンキー
『あァ…あァ……計画は成功だ』
スタン王国の外れにある、人気の無い路地裏
ネズミがゴミ箱を漁るその真横に立つのは
黒髪のオールバックに黒い眼帯をした男
そして、額には黒い蛇の紋章
右手には電話を持ち、誰かと会話をしていた
『我が異能も上手く作用した………』
深く口角を上げた男は、
遠くにある黒煙が立ち上る城を見て言う
『宣戦布告程度にはなっただろう』
『栄光あれ、我等────………』
『蛇顎旅団(じゃがくりょだん)へ』
第5話【蛇を宿す者達】
”スタン王国”
城の爆発から、十日が経過した
選ばれし異能師ら十名は爆発を掻い潜り
全員無傷で一命を取り留めたものの
スタン国王の右半身は焼け焦げ
右脚を失う重症────
病室で寝たきりの状態となった
スタン王国から遠く離れた
草木が豊富で自然に囲まれた小さな村
”イスタング村”
『……………』
ハンスとラスクは木陰のベンチに座り込み、
遠くに見える山をぼーっと眺めていた
(蛇の紋章………)
『考え事とは、珍しいなハンス』
そこへ、煙草を咥えたロスがやって来る
その脇腹にはなにやら分厚い本を抱えていた
『スタン国王の事なら……心配いらない』
ロスはベンチの横の木に背を預け、
煙草の煙を吐いて言う
『我々を除いた選ばれし異能師七名…そして、他の国家異能師ら数百が護衛に徹している』
『そんな事が心配なんじゃねェ』
不機嫌気味にハンスが口を挟むと、
しばらくしてロスは抱えていた本を見せる
『この村の図書館から借りてきた』
その本の表紙は赤く、そこに金色の文字で
『蛇顎旅団の記録』
と書かれていた
ハンスはその表紙に書かれた文字を見て
『へ、へびあご…たびだん……?』
『蛇顎旅団(じゃがくりょだん)だ』
ロスがそう訂正すると、
ハンスの横に座っていたラスクが口を開く
『聞いた事あります……蛇顎旅団』
『えっ……知らないのオレだけっ!?』
騒ぎ立てるハンスを差し置いて、
ラスクは続けて喋る
『元国家異能師の人たちが集まって構成された……言わば異能犯罪組織』
『そうだ……そして、その蛇顎旅団が少なくとも今回の事件に関与している』
ロスが吸殻を灰皿に捨てて言うと、
ハンスがベンチから立ち上がる
『蛇顎……そうか、だから……』
『蛇の紋章────………』
どこかの薄暗いバーのカウンター
そこに葉巻を吸いながら座る眼帯の男
『スタン……?アイツはあくまで前座だ』
右手にはまた電話、誰かと会話をしている
男は葉巻を一気に吸い込み、大量の煙を吐く
『狙いは分かるだろう……金髪のガキ』
『ハンス────………』
コメント
1件
おお、第5話読みました!「蛇顎旅団」という異能犯罪組織の名前がついに明かされましたね。ロスが図書館から持ってきた記録の本、ああいう“世界の裏側が書かれた資料”が登場するの、すごく好きです。眼帯の男の「金髪のガキ=ハンス」発言で、物語の標的が個人に絞られた感じがして、ここから一気に緊張感が増しそう。スタン国王は重症で動けないし、ハンスたちは真実を知りながら追われる立場…どう動くのか気になります!