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『蛇顎旅団の記録』
五百ページに渡って無数の文字が連なり、
蛇顎旅団の犯罪歴が綴られた一冊は
現状、
この村の図書館でしか読む事はできない
この本の初版、三千冊が出版されたその日
蛇顎旅団の犯行により出版元は燃やされ
出版先である本屋も続けて放火
出版された全てが、燃えて無くなった
そう思われていたが────
残りの一冊が、このイスタング村
小さな小さな図書館に埃を被って眠っていた
第6話【上級の男】
イタリア料理が村で評判のレストラン
異能師三人はそこで食卓を囲み話していた
ハンスはコップ並々に入れた水を一口飲み、
目の前に行儀良く座ったロスを見て言う
『にしてもよ…この本がこんな小さな村にあるだなんて、どっから嗅ぎつけたんだ?ロス』
『国家の人間達が片っ端から調べに調べ尽くし、情報を提供してくれた……そのお陰さ』
『へェ〜〜…国家も、たまには役に立つな』
その横で心配そうな顔を浮かべたラスクは、
ハンスとロスの会話を遮って言う
『でも…この村にこの本がある事が蛇顎旅団に見つかるのも、時間の問題じゃないですか?』
ロスはそれを聞いて、
テーブルの上のマルゲリータを一口
しばらく噛んで味わった後、飲み込んで
ラスクへ返す
『そうなろうとも、今度はヘマはしない』
そう言い放ったロスの顔には、
これ以上ない真剣さが滲み出ていた
その夜────
村の外れにある二階建ての宿の一室
ハンスは尿意で目を覚まして立ち上がる
(う〜〜〜ん…トイレトイレェ……)
部屋には狭いシャワールームしかなく、
トイレは一階の受付の隣に設備されている
その為、
ハンスは目を擦りながら階段を降りる
『んっ……?』
階段を降りた先
床に倒れ込んだ受付の老婆
『───ッ!?ば、ばあちゃん!』
ハンスは急いで老婆の元へ駆け付ける
頭からは血を流し、体は既に冷えている
(だ、誰がこんな事を───……!!)
『まんまと引っ掛かったなァ………』
『………!?』
鼓膜を揺さぶるかのような低い声が響く
そこには、受付のソファに座った男
髪はオールバックで、黒い眼帯をしている
その額には
蛇の紋章────
(蛇顎旅団………)
ハンスはゆっくりと立ち上がり
眼帯の男を鋭い視線で睨み付ける
『お前がやったのか…ばあちゃんを』
『私以外に誰がいると言うのだね……』
男は低い笑い声を上げながら、
ソファの肘掛けに手をついて立ち上がる
『申し遅れた……私の名前は────』
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柘榴とAI

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『カール・ベン・マッカーサー』
その名を聞いたハンスは、
脳内で今までの記憶を駆け巡らせる
そして、辿り着く
蛇顎旅団の構成員は下級・中級・上級と
大まかな役を与えられる
下級は捨て駒、中級は実戦の主力
そして、上級は数少ない最高戦略
カールはその内の、上級に値する一人
要するに────
(最強………か )
ハンスは生唾をゴクリと飲み込んで
カールを前に構えを取る
カールは自身の肩に手を置いて
首を回して骨を鳴らす
バキバキッ───………
『やる気か……ハンス』
『当たり前ェだ……カールッ』
夜風が、吹き荒れていた
コメント
1件
第6話読み終わった~!いきなり夜の宿で老婆死亡からのカール登場、緊張感ヤバかった…。ハンスが「最強か」って悟るシーン、鳥肌立ったわ。上級vs異能師のバトル、どうなるんだろう。続きが超気になる🔥