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充を見送った後。家のドアの鍵をかけると、俺は速攻で自室に引き篭もった。 換気のしていない部屋はいつもよりも充の匂いが残っている気がして、つい口元が緩む。

見たところ何故か怒った感じも無かったし、俺が話しかけても充は応えてくれた。 あの行為をどう受け止めたかは全く想像出来ないが、この先またいつも通り過ごしてくれるのなら、俺は……俺は——ダメだ。


『あの一回を一生の思い出にして生きていける』とか、そんな嘘は自分自身にも言えそうに無い。


ベッドに倒れ込み、うつ伏せになって、充の残してくれた余韻を胸一杯に吸い込む。

「ここに、充が寝ていたとか…… どんなご褒美だよ」

充を恋愛対象として意識し始めてから、遊びに来てくれても、一切ベッドには寝かせない様にしてきた。毎晩自分が寝る場所でアイツが寝るとか、想像しただけで鼻血が出そうだったし、自慰に耽ってしまってこの先延々と眠れなくなりそうだからだ。

案の定、予想通り、寝転んだだけで興奮してきてしまいボクサーパンツの中がひどく窮屈になっている。ベッドの上に座り、壁に寄り掛かると、俺はTシャツを捲り上げて落ちぬよう端を口に咥えた。腰を少し浮かせてジャージとボクサーパンツをずり下げ、一度達してさほど時間も経っていないというのに、熱の引かぬ陰茎部を晒した。

コレを充が見たのかと思うと、より一層興奮してくる。快楽に酔い、グダグダになった充の顔を思い出す、もうそれだけですぐ達してしまいそうだ。

『……充』

充の名前を考えただけでも気持ちが昂ぶってしまう。そのせいで、切っ先から絶え間無く先走りが零れ出てくる。ソレを自らの掌に絡め、滾る陰茎部を手で擦った。

いつもいつも充をオカズにしているが、今日は実際に触ったせいか、いつもより早く追い立てられている感じがする。

「ふっ……ん……ぅく」

Tシャツを咥えているせいで、声がくぐもる。自分から出る甘い声なんか気持ち悪くて仕方無いが、充のはいつまでも聞いていたいと思うくらいにめちゃくちゃ可愛かった。

また聴きたい、もっと触れたい、あのお腹に触って、撫でて……キスもしたかったし、フェラだってしてやりたかった。


(気持ちいいと思うであろう、ありとあらゆる事をしてみたかったな)


——なんて、そんな事を考えながら必死に怒張した陰茎部を刺激していると、俺は呆気なく達してしまった。

亀頭を軽く掌で包み、白濁液を受け止める。コレが充のだったら良かったのに…… と、虚ろな頭で考えていたら、また俺のモノがグンッと元気になってしまった。

「……マジか」

自分の若さと盛んな性欲に呆れてしまう。 コレをどうにかしない事には寝る事も出来そうに無いので、俺はまた充の事を想い、夕飯を食べる事も忘れて長い夜を悶々とすごした。


まさか、充も同じ思いをしているなど、夢にも思わずに。

アイツだけがモテるなんて許せない

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