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※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File28:そして〉
「ア゛ア゛?却下だ、却下!」
冴島さんは目と眉を吊り上げ、厳めしい顔つきで彼女を見下ろした。
顔におちかかる影が顔貌の迫力を更に引き立たせており、フジが俺にしがみつく。
拳の潰れた武骨な手は、彼女の頭を容赦なく鷲掴んだ。
「い、いだだだ、痛い痛い痛い!」
「道路を渡るときは横断歩道、左右の確認、信号厳守、車は急には止まれない。24歳児にもなって、まーだそんなこともわからねェのか?」
「ご、ごめんなさ」
「二次被害が出たらどうする気だ。お前のことだけじゃないぞ。お前らを避けようとするドライバーのことだ」
音がしそうなほどの締め付けに、彼女は冴島さんの腕を叩いて抗議した。
だが冴島さんの目つきも握力も、緩む様子はない。
「あ、あの。幸い、無事だ**************************
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