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空音
37
シュメール
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2,810
カタカタ・・・「ふんふん・・・いいわね、「処女の三十路小説家」にプレイボーイのイケメンが優しく夜の指南をしてくれるのね、良い設定じゃない!今の私の話のヒロインの親友にその設定を引っ付けてやったら・・・ああ!話が膨らむわぁ~!」
桜子はにやりと口の端を上げ、行き詰って更新をやめようかと思っていた自分の作品のストーリーに、春ウララの真似をして書いていく
「ああ~!素敵!ウララのこのヒーローのセリフいいわぁ~パクっちゃえ!コピペ・・・っと!ほら私の御曹司のヒーローに言わせるとカッコ良くなったじゃない!イケるわ!イケる!あっ、この表現もいただいちゃお!」
名前だけを置き換えて設定の舞台だけをすげ替え、桜子は自分の作品にウララの文章をラベルを貼り付けるように書いたり、元のウララの文章を少しだけ変えて書き足していく
しかし誰が見てもウララの小説を読んだ人なら、桜子が盗用しているのは丸わかりだ、それでももうこれ以上ランキングを落とさないためには、毎日投稿をしなければいけない文字数が必要だった、なりふり構っていられない、缶チューハイの空き缶が、机の端でカタリと音を立てて倒れた
フフッ「ほら!春ウララのおかげで一週間分の投稿文の文章できちゃった!いい文章書くわね春ウララ!この設定、私の小説の「話タイトル」につけちゃえ!コピペ!コピペ!」
桜子は、どんどん春ウララの文章を解体して、自分の作品に使える文章をコピー&ペーストして継ぎ足していった、時刻はとうに深夜三時を回り、風が窓ガラスをカタカタ鳴らし、階下では両親が寝静まっている
「・・・ちょっとパクリすぎたかな?」
一瞬、指が止まって画面の中の「投稿する」ボタンにカーソルを乗せたまま、桜子はしばらく動かなかった、でもここで思い直す
アハハッ「なぁ~んてね!バレない!バレない!小説だって漫画だって必ず古典となるものがあって、多くの創作者達が先人から影響を受けたものを書いているんだから、どれだけ本人が奇をてらったものだと訴えてきても、これだけ本が増えてるんですもの、必ず何かと似てくるってものよ、そんなのこのド素人に分かるわけ無い、ない!」
そう言って桜子は自身の振舞いを正当化する屁理屈を言って、「投稿する」をクリックした、画面が切り替わり、真新しい話数が自分の作品ページの一番上に並んだ、スルメイカのパックはいつの間にか空になっていた
「あ~、こんなちょっと食べたらお腹すいちゃったぁ~」
そう言って椅子を軋ませながら立ち上がり、桜子は一階の台所へ向かった、きしむ音を出す二段目階段を踏まないように、そろりそろりと階段を降りていく
コメント
2件
春ウララには、じきにバレちゃうよ😓やめときなって〜🥺
うわあ……これは胸が痛む回でしたね。桜子が「影響」と「盗用」の境界を自分に言い聞かせながら、コピペを重ねていく心理描写がリアルで、読んでいてゾワゾワしました。特に「バレない!」と自分を納得させるシーンは、創作の闇を見ているようで。階段を軋ませないように降りる細かい仕草が、罪悪感の象徴みたいで上手いなと。春ウララはこの盗作、いつ気づくんでしょう…続きが気になります!