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今から約46億年前この星が産声をあげた。

その名は後に地球と名付けられる。

私たちが過ごしているこの星がそう地球だ。

これから作られていく物語は地球であって地球ではないお話。 遠い遠い次元の平行世界パラレルワールドのお話。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2003年8月7日 午前8時

P.P.は幼馴染みとその兄を含む4人を見つけた。

「おーい、何してんの?」P.P.は走って彼らに近づき聞く。

「ん?あぁ今から幽霊探しに行くねん」

幼馴染みの花山敏はなやまつとむが答えた。

「俺も行きたい」P.P.は胸を躍らせながら口にする。

「良いけどぉ…兄ちゃんは?」敏は兄、花山歩はなやまあゆむの顔色を伺う。

「じゃぁテストね!!」敏が兄の顔色を伺っている中、最年長である蜂嶋蜜架ほうとうみつかが急に話を遮ってきた。

蜜架は敏、歩らが何かを言い出す暇さえ与えなかった。

「はーい、じゃぁ初めに目を閉じてくださーい。そしたら今P.P.は家の中に居ます。時刻は朝、起きたばかりなので窓を開けましょう。そこから学校の準備をして、いつも通り学校に行きましょう 」蜜架は暗闇の中のP.P.に語りかけ、暗闇に色をつける。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「窓を開けてぇあっおばちゃんおはようございます」

P.P.は向かいのおばちゃんに挨拶をする。

「朝御飯食べる、お父さーん、お母さん、桃!!おはよーう」

朝食を食べようとダイニングのドアを開け先に待っていた父、賭輝と母、オーシャン、弟のももこと命乃桃門いのちももかどにおはようと告げた。

「よいっしょ、行ってきま~す。」

いつものように勢い良く家を出て、すれ違う人々全員に元気良く挨拶をする。

「おはよございまーす」

あと少しで学校というところで声がした。

「あと少しですね。その調子です。」と聞いたことがあるようなないような、女の子の声だった。

辺りを見渡すが誰も見えなかった。そしてP.P.は足を止めずそのまま学校に到着した。

「着いたよ!!」P.P.は元気良く口を開け閉じていた目を開けた。

「じゃぁ質問ね。P.P.くんはぁ朝起きて、学校に着く前に誰かに会いましたか?」蜜架は問う。

「居たよ、向いのおばちゃんにお父さんとお母さんと弟!!そして近所の人たちあっ後、次郎くんにも!!」P.P.は答えた。

途中で聞こえた少女の声に関しては口を閉ざした。

「えっ俺にも会ったん!?」歩の隣の男が呟く。

この少年、歩の同級生で敏やP.P.とも仲が良かった。

「仲良いし、家近いからな」歩がそう呟くとみんなが納得した。

「えっとぉ、出会った人の数が霊感を表す数なんだけど…P.P.やばいね」

この時一足先に「見えないものが見えるようになって」しまったのかもしれない、少なくともその片鱗は存在するだろう。

P.P.にとってこの心理テストのようなものが起爆剤となっのだろうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そうして近くの森の獣道を歩いて行く。

先頭を歩、次郎、敏が、最後尾を蜜架が歩いていた。

斜面になっている地面を覗いてみると…

「うわっ!?」P.P.は顔色をブルーハワイのかき氷のように変え、急いで逃げようとしたが腰を抜かして思うように前に進めない。

ただひたすらに必死に「逃げて!!」と大きな声で叫ぶことしかできなかった。

そう、やはり起爆剤だったのだ。

P.P.は見てしまったのだ、見えないはずの本物の霊を。

「出た!!」P.P.の顔はまだ青い。

P.P.は手を繋いでいる親子の後ろ姿を霊を見た。それこそおさるの○ョージに出てくるお猿と全身が黄色の衣服で身を包んでいるおじさんのようだった。

P.P.は確信している、あれが人間ではないことに。彼らの身体が徐々に崩れていたからだ。まるで砂のように、オ○フェノクやイマジ○が倒されたときのように。

P.P.は4人にこの話をしたが当然信じてもらえない、もう一度確認した時には既に彼らは居なくなっていたからだ。

少量の砂以外は…この事はP.P.以外気にしていなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2005年8月22日午後7時40分

「俺ら児童プレゼンツで肝試ししま~す。子供のみ参加で、小学2年生から中学1年生まで対象で~す」次郎が段ボールの看板を掲げ宣伝する。

歩や次郎の代が夏祭りをさらに盛り上げようと肝試しを伝統として作り上げていた。

肝試しの舞台は夏祭りが行われている公園とその裏の墓地。ルールは墓地、公園、周りの脇道などに隠された3つの光るスクイーズが入ったガチャガチャのカプセルを探す。

午後8時10分肝試し宝探しが始まる。

参加者の小・中学生達が一斉に歩達が隠した宝を探しに駆け出す。

そこから約5分後の話

「は?なにこれ…」P.P.はそこに広がっていた異様な光景に動揺が抑えられない。

P.P.が見た光景、それは青白く発光し宙を漂う物体、何も目に写っていないかのように何も気にせず宝を探す参加者達。

P.P.からすると、異様という言葉では表しきれない異様さがそこにはあった。

「…違う、みんなには見えてないんだ…ただ、やばい気がする」P.P.はこのゲームを終わらせるために急いで宝を探す。

一方その頃の潔は既に宝を見つけていた。

「なんなんや、これ、この数エグい…早よ終わらせやなまずいやろし、なんでみんな目の前に居たとしても気づいてないんや」潔もまたこの状況に驚きを隠せていなかった。

「見えないものが見えるように…はぁ…みんなは見えてないんやな…しゃぁないとりあえず宝探して早く終わらせやな、んでどうせあいつも見えてるんやろ」この状況の中、潔は冷静に把握し最善策を立てようとしていた。

「あった」P.P.もまた墓地の宝を見つけ出した。

「勇騎!!」潔の叫び声が聞こえた。

「とりあえず合流!!同盟組も!!」再び潔の叫び声が聞こえる。潔は他の参加者が事実を知ったところで信じるわけもなく余計に話が拗れると考えたため、あくまで宝探しというスタンスを貫く。

「おっけ。そっち行くわ!!」もちろんP.P.は潔にも見えているからこそ合流を選んだということを知って叫んだ。

「俺宝、墓地から一つ。勇騎、お前は?」合流後すぐに潔が尋ねた。

「俺も一個、だから後一つやな」P.P.も答える。

「後一つ…肝試しって言うなら墓地にもう一つが妥当やろうけど、あの人らが墓地に3つ宝を置いて小2達にあっさり見つけられて終わりってのは避けたいやろし…」潔が歩達の思考を読み取ってみる。

「ルールは墓地、公園、その周辺…」P.P.も考える。

「一番意地悪なんは…」潔に心当たりができた。

「墓地に2個、公園はブラフでその周辺(用水路とか)に1個かな」P.P.が被せる。

「それしかないな、用水路、墓地と公園の間にあるし、公園に隠すと参加者以外に見つかる可能性がある」潔が考えをまとめた。

「用水路にあるとして、前に亀が隠れてたあの分岐やろうね、行こか 」P.P.が用水路の方へ向かいだす。

潔もP.P.の後を追う。

「あった」P.P.が用水路の分岐から宝を見つけ出した。

「これ持って先行って後で行くから」そう言うとP.P.は潔に2つの宝を渡した。

「終了ーーーーーーーーーーー!!」企画者の大きな叫び声が聞こえた。

潔が3つ揃えて提出したのだ。

「優勝者は覇打潔くんでーーす。景品の変わった石をプレゼントしまーす。」企画者再び叫ぶ。

「え?」参加者のほとんどが頭をポカーンとさせた。企画者らは優勝者には豪華景品と謳って集客していたため、参加者らは変わった石が景品だとわかりなんとも言えない気持ちになっていた。潔もP.Pもまたそうだ。

ただ、小学2年生達は悔しがっていた。

不満ありげな顔をして一応思い出として景品を保管することにした二人だが、内心満足はしていた、参加者を墓地から撤退させることに成功したからである。

見えないものが見えるようになっているということを再認識させられた夜であった。

約束の時まであと、約3年。

To be continue.

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