汐 依 「 人が嫌い 、 って事ですか ? 」
きっと彼に拒絶されたとしても
此の気持ちが変わる事は微塵も無い
だから
躊躇無く聞いてみる
羽 多 野 「 まぁ 、 そんなとこ 」
汐 依 「 なら 、 どうして … 、 」
_____ どうして私を助けたんですか 。
喉の奥に留まる言葉
此の時 、 思うんだ
先輩は虐めを受けていた私だったから
凄く凄く優しくしてくれて
其の行動に好意なんてモノは微塵も無くて
単なる先輩也の気遣いなのでは無いか 、 と
優し過ぎる程に優しい先輩だから
放って置けなかっただけなのでは無いか 、 と
汐 依 「 ぁ ー 、 何でも無いです 、 笑 」
後少しの処で出かけた言葉を呑み込んだ
羽 多 野 「 羽希 っ て素直じゃないよね 」
此れはきっと
私が素直に聞かなかった事に対してだろう
先輩は凄く人の事を見ているから
私の下手くそな嘘くらい
直ぐに見抜いてしまうんだ
汐 依 「 そうですか ? 」
其れに私は気付いていないフリをする 。
羽 多 野 「 羽希を助けた理由はねぇ 、 」
嗚呼 、 ほらね 。
何も言っていないのに
私の気持ちを全て汲み取ってくれる
そんな人は 、
きっと此れ迄も此れからも彼だけなんだ
羽 多 野 「 放って置けなかった 。 」
勝手に期待して 、 勝手に落ち込んで 、
本当 、 馬鹿みたいだ
先輩が優しい事くらい知っていた癖に
羽 多 野 「 其れは優しさとかじゃ無くて 」
其の言葉に何時の間にか地面ばかり眺めていた
視線を彼に向ける
羽 多 野 「 羽希が壊れそうでさ 、 笑 」
ほんの少しだけ声に哀しさを帯びていた
私と視線がぶつかって
彼の澄んだ瞳が儚く揺れた
其の瞳は私をじっと捉えて離さない
彼と何度 、 眼を合わせても
心臓は何時も激しく脈打つ
何時も 、 何時も 、 ひとり体温が上昇する 。
気付けば学校の前で彼とは別れる時間だった
汐 依 「 … 一緒にお昼とか迷惑ですか 」
羽 多 野 「 迎えに行くから待ってて 」
此の気持ちは何処に置いていけば良いだろう
コメント
2件
汐依ちゃん、その気持ちは羽多野先輩の胸に置いていきましょう((は 何も言わなくても分かっちゃう羽多野先輩すきです( ノベルだとよりあめちゃんの語彙力増し増しで最高です🤦🏻♀️💞