テラーノベル
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犬吠埼病院の病室では、焔垂と茜、そして美月が、信愛たちの安否を案じながら話をしていた。
「大丈夫かな?みんな・・・」
茜が不安そうに呟く。
ベッドの上の焔垂も、浮かない表情を見せた。
「どうなんだろうな・・・」
「信じて待ちましょう」
美月は二人を落ち着かせるように、静かな口調で続ける。
「情けないけど、今の私たちに
出来るのはそれしかないからね」
「まあ、ですね・・・」
焔垂もそう答えるしかなかった。
すると茜が、何かを思い出したように口を開く。
「でもさ?私さ、TAMAYAに対して
若干疑問に思ってる事があるんだよね」
「疑問に?なに?」
美月が尋ねると、茜は考えを整理するように話し始めた。
「TAMAYAってさ、3年前から
急にバズりだしたんだけど──」
「そのキッカケが『こころ
クリーニング』だったんだろ?」
「そうなんだけどさ・・・」
焔垂が茜へ視線を向ける。
「ん?なんだ?」
「それまでのTAMAYAの歌ってさ
なんか雰囲気が今とはまるで違うんだよね」
「違う?」
「今の曲は何というか、フォークソングと
ポップスの融合みたいな感じなんだけど
それ以前はかなりロックテイストな歌が多かったの」
「え?ロック?」
意外そうに目を丸くする焔垂。
茜は頷いた。
「今みたいに若者の言葉を代弁するって
スタイルは変わらずなんだけど
かなりロックな感じだったんだよね」
「へぇ~・・・意外だな」
それまで黙って話を聞いていた美月が興味を示す。
「たとえばどんな歌があるの?」
「これが『こころクリーニング』
リリース前の歌で──」
茜はそう言うとスマートフォンを取り出し、LIME MUSICを開いた。
そして、TAMAYAの楽曲一覧から一曲を選ぶ。
「『教壇の上の偽善者』って歌なの」
茜が再生ボタンに触れる。
次の瞬間、病室にTAMAYAのかつての楽曲が流れ始めた。
◇ ◇ ◇
曲名 教壇の上の偽善者
作詞・作曲 TAMAYA
みんな違ってみんないい
そんな事を教えている教師は
同調や順応を求める
みんな違ってみんないい
そんな事を教えている教師は
それぞれの個性を認めない
みんな違ってみんないい
そんな事を教えている教師は
自分の思い通りにならない生徒は
異端児として扱い迫害する
Don’t mess around
your words and
actions don’t match
Don’t mess around
your words and
actions don’t match
みんな違ってみんないい
そんな言葉を無責任に使う
教壇の上の偽善者よ
本当にわかっているのか?
押しつける基準、息苦しい
僕らの未来を奪うなと
僕らの夢を削り取るなと
反抗の声を上げる時だ
Don’t mess around
your words and
actions don’t match
Don’t mess around
your words and
actions don’t match
みんな違った想いを解き放て
思いの丈を歌に乗せて
僕らの聲で奴らに届ける
思いの丈を歌に乗せて
僕らの叫びを奴らに届ける
希望ある未来
自分たちで切り開くんだ
Don’t mess around
your words and
actions don’t match
Don’t mess around
your words and
actions don’t match
◇ ◇ ◇
その楽曲は、教育現場における矛盾や教師の偽善的な姿勢に対する批判を、激しいロックミュージック調に歌った一曲だった。
コメント
1件
わあ、今回のエピソード、TAMAYAの過去の楽曲が一気に物語の深みを増しましたね。茜が「教壇の上の偽善者」を紹介する場面、曲調の変化に気づく彼女の観察力が光ってました。歌詞の「Don't mess around」の繰り返しがすごく印象的で、今のフォーク寄りなスタイルとのギャップにゾクッとしました。この曲が「こころクリーニング」以前のTAMAYAの姿を物語っていて、彼らのルーツに触れた気がして感慨深いです。信愛たちの安否も気になりますが、TAMAYAの過去と現在を行き来する展開がとても面白かったです🌷
#普通
野々さくら
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ありあ
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