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コメント
5件
5人で帰れて本当に良かったです😭 ダイチが何回もジントが生きてるのか確認しちゃうのが愛が溢れすぎてて可愛いですね🤭︎💕
もう最後じゃないですか!? いいんですよ、『終わったと思ったらまさかの敵出現で終わりませんでした!!』があっても… でも、最後まで見届けさせて貰いますー😭
え〜〜〜!!!😭💕 第十六章完結おめでとうございます…!! 「おかえり」のたった一言でここまで泣けるのズルすぎるよ…ミレイアおばあちゃんの抱擁シーン、もう胸がぎゅーってなった。ジントが初めて「何もない夜」を迎えたラスト、静かで深い余韻が染みる…。長い戦いの果ての温かい日常、本当に沁みました。comiさん、素敵な物語をありがとうございます🌸✨
第十六章 月へ還る闇
第九話 闇が還った夜
気付けば月は少し西へ傾いていた。
先ほどまで夜空を貫いていた光の柱は消えている。
けれど石碑はまだ淡く光を宿していた。
まるで役目を終えたことを静かに伝えるように。
しばらく誰も動かなかった。
誰も言葉を発しなかった。
5人はただ静かに寄り添い合い、月を見上げていた。
やがてジントがそっと立ち上がる。
まだ少し足元は覚束ない。
けれどその表情は穏やかだった。
「……帰ろう」
4人が顔を上げる。
ジントは石碑へ視線を向けた。
「みんな待ってる」
自然と笑みが零れる。
「せやな!」
ダイチも立ち上がる。
「早よ帰ろ!だんだん腹減ってきたし!」
「俺もや〜……それに」
シュンタが大袈裟にぶるっと身震いする。
「なんか気ぃ抜けたらだんだん寒なってきたわ」
横にいたジュウタロウの腕にしがみつく。
「うわっ!ジュウの方が冷たいやん!」
「暑苦しい。くっつくな」
そう言いながらもジュウタロウは腕を振りほどこうとはしない。
「そうだな……」
ハヤトはそんな4人を穏やかな瞳で見つめていた。
「みんなで、帰ろう」
噛みしめるように言葉を落とした。
5人は再び石碑の前へ並んだ。
ジントは淡く光る石碑へ手を伸ばす。
ひんやりとした感触。
ーーありがとう……。
ジントは心の中でそう呟くと、そっと目を閉じた。
次の瞬間。
柔らかな光が彼らを包み込んだ。
やがて光が収まり、5人は目を開く。
目の前に建つ石碑は、月の一族の隠れ里のものだった。
最後の力を振り絞るように、ぼんやりと光っている。
静かな森。
穏やかな風に揺れる木々。
どこか懐かしい空気。
そして
「ジント!!」
真っ先に駆け寄ってきたのはセレネだった。
少し驚いたように目を見開いたが、ふっと今にも泣き出しそうな顔になる。
「良かった……!」
その声で周囲の人々も一斉に安堵の表情を浮かべる。
パスカルは涙を堪えきれず顔を覆っていた。
「……本当に……良かった」
ゼストも腕を組んだままだったが、どこか安心したように息を吐く。
そしてゆっくり歩み寄ってきたミレイアがジントの前で立ち止まった。
月色の瞳が金髪の青年を見つめる。
それはすぐに優しく細められた。
「……おかえり」
たった一言だった。
ジントの瞳が揺れる。
そして次の瞬間。
ミレイアはジントを抱き締めた。
強く。
愛おしむように。
「よくやったね……」
震える声。
「本当に、よくやった……!」
ジントもその背中へ腕を回した。
「……うん」
それ以上言葉にならない。
ただ温かかった。
祖母とは違う。
けれどどこか似ている。
懐かしい温もりだった。
その夜、月の里では小さな食事会が開かれた。
豪華なものではない。
温かなスープ。
焼いたパン。
果実酒。
それだけだった。
けれど誰もが笑っていた。
泣いていた。
そして何度もジントの顔を見ていた。
まるでそこにいることを確認するように。
「もう五回目やで」
シュンタが笑う。
「何が?」
「ジンちゃんが生きとるか確認した回数」
その言葉に笑いが起こる。
「まだ、夢みたいや……」
ダイチがぽつりと呟いた。
その言葉に誰も否定できなかった。
あまりにも長い夜だったから。
食事が終わる頃には皆疲れ切っていた。
そしてそれぞれ部屋へ戻る。
ジント達も用意された部屋へ案内された。
柔らかな寝台。
窓から差し込む月明かり。
静かな夜。
横になる。
不思議だった。
いつも聞こえていたもの。
瘴気の気配。
闇の囁き。
胸の奥に沈む重さ。
それが、何もない。
本当に、何もない。
「……終わったんだ」
ぽつりと呟く。
目を閉じる。
そして、そのまま深い眠りへ落ちていった。
夢は見なかった。
ジントにとって生まれて初めて、何もない夜だった。
第十六章 完