それは今年の2月くらいの出来事、
「芥次長、今日お暇ですか?」
「どうした」
「いいお店見つけたので、よかったらご一緒したいなぁと思いまして」
「悪いが予定がある」
「え…そんなぁ…」
「他の奴を誘え。じゃあな」
時刻は定時の5時半、部下たちは俺が帰らないと動きにくいらしく、今か今かと俺が立ち上がるのを待っている。その視線に耐えかね、さっさと帰ろうと上着と 鞄(かばん)を掴み立ち上がると、最近入った新入社員の若い女が絡んできた。
見るからに化粧も濃く香水の匂いも強いその女が、会社では男にだけ猫撫で声で話すのを俺は知っている。適当にあしらいひらひら手を振ると、女は残念そうに 項垂(うなだ)れていた。
今日は大切な予定がある。それは……。
アパートに着き、部屋着に着替えエプロンを着け台所に立つ。朝からボールの中で醤油やら酒やらと漬け込んでいた鶏肉の中に*******
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