これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きはプロローグを参照ください
でははじまります
空が燃えていた、のは、夕焼けのせいだけではなかった。
「gr様!!」
gr「ん?ああ、騎士殿か。どうされました?」
「ただいま、西地区で犯罪組織による放火が発生しました!急いで反対側へお逃げください!!」
tn「放火!?」
ht「西地区…、え!マンちゃんの行った教会の近くだよ!?」
gr「マズい!!騎士殿、我々も西地区へ向かいたく存じます。どうやらos枢機卿がそちら側に…」
「はい、確かに枢機卿猊下はいらっしゃいました…。ですが、今消息が途絶え…」
ht「行こう!鎮火もしなきゃだし。水はあるの?」
「人々の生活用水と農業用水で、余りの水はほとんどない状態です。夏は雨が振りにくいし、すぐに乾いてしまうので、冬のうちに貯蓄しておく必要が…」
gr「だとしたら、付近の建物を全て壊し、安全な地区まで民を誘導すべきだろう」
「ただいま、取りかかっております」
gr「なら、心配ないな。じゃあ俺等はosを…」
tn「待て、grさん。火の勢いが強すぎる。人が近づけん。水がないなら尚更や」
窓から様子を見ていたtnがgrを制止した。
gr「嘘だろ!?」
tn「こっちまで火の粉が飛んできそうや。俺らも逃げたほうがいいかもしれんな」
ht「そんなにヤバいの…?」
gr「どうすれば…」
tn「……、osを救出したいのは山々なんやが…」
ht「仕方ない。このまま突っ込もう。様子見だけでも」
tn「火傷じゃすまんかもしれへんぞ!?」
ht「大丈夫。行こうよ、二人とも」
tn「grさんは、どうする?」
gr「もちろん行くに決まってんだろ」
tn「絶対にはぐれるなよ」
gr「ああ、わかってる」
3人は、急いで西地区へと向かった。
それは、耳にしたことしかないが、今はもう瓦礫もなくなった元・首都の、少し前の惨劇を彷彿とさせる状態だった。
バチバチと大きく火が踊り、人の叫び声も掻き消される。建物は完全に焼けたものと、今燃えてるもの、そして延焼を防ぐためにわざと倒壊させたものが見て取れる。
火の粉は風にあおられあちらこちらへ飛び交って、彼らの鼻先を掠めたものもあった。
ht「無事で居てくれ……」
tn「ht、流石にここに3人で行くのは無理や。火が危ないから、俺のマフラーで顔を覆ってosを助け出してくれ」
ht「いいの?」
tn「あいにく、俺等はさっきちらっと見かけた犯人らしき奴を粛清せなあかんみたいやからな。また、屋敷で合流しようや」
gr「え、犯人見つけたのか?」
tn「おん。それなりに手練れっぽいし人数もいる。さっさと処さんと」
gr「わかった。ht、健闘を祈る!」
ht「了解」
帽子の青年は託されたマフラーを顔と首に巻き、刀を握りしめて燃え盛る瓦礫の中へと走っていった。
***
どこに行ったの、マンちゃん…。
さっきから、西地区を走り回っているのに、なにも手がかりがない。ところどころ焼け焦げた死体が落ちているだけで、生きている人の気配はない。
奥へ進むと、もう燃えるものすらなくなったのか、火はほとんど消えかかっていた。
ただ、落ちている死体の数はますます増え、一歩進むのにも注意を払わねばならない。
ht「本当にどこにいるの…?」
煙がひどく、視界は不明瞭。そして、やはり人の気配はない。
と、気になる死体が一つ。
それは、焼死体ではなかった。血まみれで、何かに刺されたようだ。うつ伏せなので顔はよく分からないが、着ている服からして一般市民だろう。火傷したような跡は全くなく、ここの火が落ち着いてから殺されたように見受けられる。
ht「え?どういうこと…?」
もしかしたら、このさらに奥に何かがあるのかもしれない。というか、行くしかない。そう、直感が言っている。
刀をもう一度強く握りしめる。絶対に、osを見つけ出さなければ。
奥は、火がついたような跡もなく、人のいない荒野が広がっていた。避難街の城壁はまだ先にあるが、ここには井戸などもないので本当に人が住んでいないのだろう。
ht「誰か、いない?」
そう大きな声で叫ぶ。
もちろん返事はない。
第六感なんて、信用しないほうが良かったのだろうか。
自分の体は煙を吸ってしまったせいなのか、限界が来ている。あと少しで引き揚げないとこちらが死体になってしまうだろう。
でも、いる気がするんだ。絶対ここに。
カンッ
自分の向いてる方で、金属が地面に落ちる音がした。
ht「誰かいる…」
静かに駆け寄ってみれば、それは見慣れた短刀と十字架。すこし、煤がついたり焦げた跡がある。
それは紛れもなく、今探している彼の物だ。
深呼吸をして、刀を鞘から抜く。もう一度帽子を深くかぶり直す。そして、また、呼吸する。
ht「……、」
刀が飛んできた方向へ、音を立てず近寄る。やっと人の気配がした。何人かいる。武器から発せられる金属音がするが、声は全く聞こえない。
位置を完全に特定した。覚悟を決めて、彼らの元へ詰め寄る。
ht「その人を離せ!!」
手前にいた男を切る。相手も素人ではないようだ。その瞬間にその場から離れ、武器を構える。相手は銃持ちだ。
でも、関係ない。一気に距離を縮めて、銃の男を切る。
あと一人。同じく刀を持った男。足を狙おうとして、止められる。刃がぶつかり合う音。蹴りを入れられそうになり、思わず跳び退く。
すぐに相手は頭を狙って刀を振る。肩に、刃が当たる感触があった。でも、これで足を狙いにいける。
足を切る。相手はバランスを崩し、力付くで俺の動きを止めようとする。力では負ける。軽く横に跳び、怪我を負って隙だらけの彼の脇腹を、鋭く切り裂く。
血が噴き出て、そのまま彼は動かなくなった。
ht「はあっ、はあ…。ヤバい、怪我をするなんて想定外…、ってかマンちゃん、無事!?」
慌てて駆け寄ると、彼は木の幹にもたれかかるようにして座っていた。
os「かっこよかった、めぅ…。ごめん、みんなに知らせる前に…」
ht「詳しい事情は後で聞くから、とりあえず屋敷に戻ろう。どこか怪我した?」
os「腕と、ちょっと頭。それから、火傷…、け、煙吸っちゃっtゲホッゲホっ、ゔぅ…」
苦しそうだ。でも、肩の調子が悪いので、このまま背負って帰ることもできない。火傷したのは、顔と腕。着物がところどころ切れて肌が見えている。
ht「ここ、空気悪いね…、風向きが変わったみたい」
os「うん…」
頭から血が流れている。意識がはっきりしないのか、目は虚ろで、焦点が合っていない。
もらったマフラーで、ひとまず止血。軟膏の一つや二つ持ってくればよかったのだが、あいにくそれらは屋敷の中だ。
ht「人呼んできて、担架で運ぶことにしようか。今、止血はした。火傷は少し待ってて。骨に異常は無いよ。じゃあ、ここで、待ってて。ごめん」
os「気をつけて…」
街はもう火の勢いが収まったようで、普通に歩いても問題はなかった。屋敷の方には怪我した人たちが運び込まれているらしい。
手伝いたい気持ちは山々だったが、自分も怪我しているし、マンちゃんのことも伝えないと。
屋敷の前まで来て、扉を開ける。騎士たちとgr、tnがこちらへ駆け寄ってくる。
良かった。これで、助かるよ、マンちゃん。
――――――――――――――――――――――――――――――
こんにちは、てってれーです。
最近暑くない?っていうことなんですけど。季節の変わり目は体調崩しやすいので皆様お気をつけください…。
このストーリーでのhtさんは、護衛のために医術、特に応急手当を親から学ぶので、対応が早いしプロ、という感じで書いてます。医療のことよくわからないんですけどね。
そろそろこの章も終わりに近づいてまいりました。
というわけで、さようなら〜
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!