「水戸リーダー、すみません。今日はそろそろ……」
対面に座る部下にそう切り出されて、会議室に備え付けられた壁掛け時計を見上げた。
針が指す時刻に目を瞠り、はっとしたように背筋が伸びた。
「やだ、もうこんな時間? ごめんなさい、気がつかなくて」
「いえ。でもせっかくの金曜日ですから、水戸リーダーも、たまには早く帰られてはいかがですか?」
既に定時を優に二時間は過ぎているので、『早く』という表現には合わない時刻な気がするが、部下の心遣いに苦笑を零し、広げた資料を手早く回収した。
「あとは片付けておくわ。週末、ゆっくり休んでね」
「いやそんな――」
「大丈夫よ。来週の働きに期待してるから」
「……一瞬、帰るのやめようか悩んじゃいましたよ。プレッシャーかけないでください。でもまあ、頑張ります。えと、それじゃあ、お先に失礼します」
「ええ。お疲れ様」
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