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「宇治先輩、浴衣着ますか?」
「着ないよ」
「えーーっ、⚫︎⚫︎花火大会といえば浴衣じゃないですかー」
「家に無いから」
「そうですか、、じゃあ恥ずかしいですけど私だけ着ます、、」
午後から部活の人たちとすれ違いながら校門を出た。
「あ、あの人」
少し顔を上げた。
「知ってますか?幡中先輩、今自転車で通ったあの人と花火大会行くんですよっ」
「知ってるよ」
「テニス部の高身長でかっこいい人ですよね!友達に女テニの子がいるんですけど、イケメンだよってよく写真見せてくれるんです〜、二人が一緒に行くこと男テニと女テニの中でちょっと噂になってるみたいですよ」
「そうなんだ」
「美男美女ですよね〜、先輩あの人と仲良いんですか?」
「いや、ほとんど喋ったことない」
「そうなんですか、二人が付き合ったらこの学校のビッグカップルになりますよねっ、あの花火誘えたら勝ちとか言いますし、、」
「ごめん、コンビニ寄りたいから、ここで」
「、、あ、はいっ、じゃあまた部活でっ」
「うん、お疲れ様」
何も買う予定もないまま、学校を出て少し歩いたところにあるコンビニに入った。
「これまじ美味かったから食ってみ、チーズ好きっしょ」
「え、買ってみようかな」
「買ってあげよっか? 」
「あはは、なんでだよ自分で買うよ」
聞き馴染みのある声がして止まってしまった。
「…あれっ、宇治」
ばっちり目が合った。佐倉ともう一人、バド部の友達だろう。
「ああ、お疲れ様」
奥にいた友達はちらっと顔を覗かせた。
「ん、友達?」
「うん、…買ったらすぐ帰る?」
「腹減ったしすぐ帰るかなー、佐倉この子と話してく?」
「あーうん、そうする」
「おっけーじゃあ買って帰るわ」
二人はお疲れ、と言って別れた。
「ご飯買いに来た?」
「、、いや、特には」
佐倉はなにそれ、と笑った。
「宇治が好きなやつ」
そう言ってジュースを手に取り、レジに向かった。
「ちょっと」
「まあまあ、久しぶりの俺の奢り」